軽量テント1kg以下の選び方は4基準|厳選7選でソロ泊が快適になる

バックパッキングや登山において、装備の軽量化は体力の温存だけでなく、旅の質そのものを大きく左右します。特に「軽量テント 1kg以下」という選択肢は、かつては一部のエキスパート向けでしたが、現在は技術革新により驚くほど快適なモデルが増えています。今回は、そんな1kg以下の超軽量テントの中から、信頼性と実用性を兼ね備えた厳選モデルを徹底解説します。

重量わずか0.9kgの超軽量設計!移動中の負担を大幅に軽減できて荷物が置ける広々とした前室付き

目次

軽量テント1kg以下を選ぶ際の重要な判断基準

設営方式の違いで選ぶ

1kgを下回る超軽量テントを選ぶ際、まず直面するのが「自立式」か「非自立式」かという選択です。自立式は専用のポールを組み上げるだけでテントの形が完成するため、岩場やコンクリートの上など、ペグが打ちにくい場所でも場所を選ばず設営できるのが最大のメリットです。初心者の方や、設営のしやすさを最優先したい方には、自立式、あるいはポール1本で自立を補助する「セミ自立式」が適しています。

一方で、さらに軽量さを追求するならば、トレッキングポールを利用して立ち上げる「非自立式」が有力な候補となります。これはテント専用のポールを持ち運ぶ必要がないため、大幅な軽量化が可能です。ただし、形を整えるために必ずペグダウンが必要となるため、設営には慣れと適切な地面の状況が求められます。自分の登山のスタイルや、よく行くキャンプ地の地面状況を想像しながら、どちらの方式がストレスなく運用できるかを慎重に見極めることが大切です。

また、設営の「スピード」も重要な要素です。悪天候時や日が暮れかかった状況では、いかに早くシェルターを構築できるかが安全に直結します。自立式は構造が直感的なものが多く、素早い設営が可能です。非自立式は軽量ですが、テンションの掛け方にコツがいるため、事前に公園などで練習しておく必要があります。軽量化の代償として設営の難易度が上がるのか、それともバランスを重視するのか。この判断がテント選びの第一歩となります。

居住性と重量のバランス

「軽ければ軽いほど良い」という考え方は一理ありますが、テント内で過ごす時間の快適さを無視すると、山行全体が苦行になってしまうこともあります。1kg以下のテントは、生地を薄くしたり面積を最小限に抑えたりすることで軽さを実現しています。ここでチェックすべきは、床面積だけでなく「壁の立ち上がり角度」と「天井の高さ」です。数値上の面積が広くても、壁が急角度で迫っていると、座った時に頭が生地に触れてしまい、窮屈さを感じやすくなります。

また、荷物を置くスペースや、靴を置くための「前室」の有無も重要です。1kg以下のモデルでは前室が非常に狭いものや、そもそも存在しないものもあります。雨天時に前室で調理ができるか、濡れたザックを外に置かずに済むかといった実用面を想定しましょう。快適さを重視するなら、ハブ構造のポールを採用して内部空間を広げているモデルがおすすめです。逆に、テントは寝るためだけの場所と割り切れるのであれば、極限までシェイプされたミニマルなモデルが最高の相棒になります。

さらに、シュラフ(寝袋)との相性も確認が必要です。例えば、身長が高い方が全長が短いテントを選ぶと、足先や頭が壁に触れ、そこから結露が伝わってシュラフが濡れてしまう原因になります。自分の身長にプラス20〜30cm程度の余裕があるモデルを選ぶのが理想的です。重量の「100gの差」と、居住性の「快適な広さ」を天秤にかけ、自分にとっての「ちょうどいい」を探ることが、失敗しない選び方のコツです。

耐水圧と耐久性の確認

超軽量テントに使用される生地は、10デニールや7デニールといった、非常に細い糸で織られた薄い素材が主流です。ここで気になるのが「雨に耐えられるか」と「すぐに破れないか」という点でしょう。一般的に日本の山岳シーンでは、耐水圧1,200mmから1,500mm程度あれば十分な防水性能と言われています。1kg以下のモデルもこの基準を満たしているものが多いですが、フロア(床面)の耐水圧が低い場合は、地面からの浸水を防ぐために使い方が重要になります。

耐久性については、素材の特性を理解しておく必要があります。現在の主流は、ナイロンにシリコンを染み込ませた「シルナイロン」や、高強度な「DCF(ダイニーマ・コンポジット・ファブリック)」です。シルナイロンは滑りが良く雪が落ちやすい反面、濡れると少し伸びる性質があります。DCFは非常に軽量で伸びず、防水性も極めて高いですが、価格が高価になる傾向があります。薄い生地でも引き裂き強度は確保されていますが、鋭利な岩や枝には弱いため、扱いには丁寧さが求められます。

また、シームテープ(縫い目の防水処理)の有無も確認ポイントです。シルナイロン製品の中には、自分自身でシーム剤を塗って防水処理を施す必要がある「シームレス」モデルも存在します。これは軽量化と経年劣化によるテープの剥がれを防ぐための仕様ですが、手間がかかるため初心者の方は注意が必要です。軽量テントは「繊細な道具」であることを認識し、スペック表の数値だけでなく、その素材がどのような特性を持っているかまで深掘りして比較することが、長く愛用できるテント選びに繋がります。

収納サイズを重視する

パッキングの際、テントがどれだけコンパクトになるかは、ザックの容量選びにも影響します。1kg以下のテントは収納サイズも総じて小さいですが、特に注目すべきは「ポールの収納寸法」です。どんなに本体がコンパクトになっても、折りたたんだポールの長さがザックの横幅を超えてしまうと、パッキングの自由度が下がります。最近ではポールの節(1本の長さ)を短く設計し、バイクパッキングや小型ザックにも収まりやすくした「ショートスティック」モデルも登場しています。

また、収納袋の形状もチェックしましょう。筒状のスタッフサックだけでなく、コンプレッション機能が付いたものや、あえてゆとりのあるサイズに設定されていてパッキング時に隙間に詰め込みやすくしているものもあります。UL(ウルトラライト)スタイルのハイカーの中には、専用の収納袋を使わずに、ザックの底にテント本体を直接詰め込んで隙間を埋める方法をとる人もいます。そのような柔軟な使い方ができる生地の柔らかさも、収納性を考える上でのポイントになります。

収納時のサイズ感は、移動中のストレスに直結します。公共交通機関を利用して登山口まで行く場合や、藪漕ぎが必要なルートを通る場合、ザックの外側に大きなポールを括り付けるのは避けたいものです。本体重量が1kgを切っているモデルであれば、収納時も2Lペットボトル1本分かそれ以下のボリュームになるものがほとんどです。自分の持っているザックの容量と、他の装備との兼ね合いを考え、スマートに持ち運べるサイズ感のテントを選ぶことが、軽快な登山体験を実現する鍵となります。

おすすめの軽量テント1kg以下厳選7選

【NEMO】ホーネットエリート オスモ 1P

極限の軽さと居住性を両立させたNEMOのフラッグシップモデルです。独自の「OSMO」ファブリックは撥水性が長く続き、濡れた時の伸びも抑えられています。セミ自立式ながら内部空間が広く、1kgを大幅に下回る重量は驚異的です。

項目内容
商品名ホーネットエリート オスモ 1P
価格帯80,000円〜90,000円前後
特徴最高峰の軽量性と居住性を両立したOSMO生地採用モデル
公式サイト公式サイトはこちら
Nemo
¥79,200 (2026/02/26 00:54時点 | Amazon調べ)

【ビッグアグネス】フライクリーク HV UL1

ウルトラライトテントの代名詞とも言えるロングセラーモデルです。垂直に近い壁の立ち上がりにより、頭上空間の広さを確保しています。設営が非常に簡単で、重量と強度のバランスが非常に優れているため、UL初心者にも最適な一台です。

項目内容
商品名フライクリーク HV UL1 ソリューションダイ
価格帯60,000円〜70,000円前後
特徴環境に優しい染色法を採用した超軽量・高居住性テント
公式サイト公式サイトはこちら

【Naturehike】VIK1 ウルトラライトテント

圧倒的なコストパフォーマンスで高い評価を得ているシングルウォールテントです。1kgを切る重量でありながら、自立式に近い感覚で設営でき、前室も確保されています。低予算で軽量化を実現したいハイカーに強力な選択肢となります。

項目内容
商品名VIK 1 15D ウルトラライトテント
価格帯18,000円〜22,000円前後
特徴低価格ながら1kgを切る驚異のコスパを誇るシングルウォール
公式サイト公式サイトはこちら

【Six Moon Designs】ルナーソロ(超軽量740g)

トレッキングポール1本で設営する、ULハイカーのアイコン的存在です。変形六角形のデザインは風に強く、内部空間も一人用としては非常に広大です。テントとタープの長所を併せ持ったような構造が、多くのファンを魅了しています。

項目内容
商品名ルナーソロ(Lunar Solo)
価格帯45,000円〜55,000円前後
特徴トレッキングポール1本で設営可能な伝説的ULシェルター
公式サイト公式サイトはこちら

【3F UL GEAR】Lanshan 1 Pro 軽量モデル

世界中のULハイカーから注目される、高品質・低価格なトレッキングポールテントです。Proモデルはシングルウォール構造を採用し、さらなる軽量化を実現。シリコンコーティングされた生地は耐久性も高く、実用性が非常に高いモデルです。

項目内容
商品名Lanshan 1 Pro
価格帯25,000円〜35,000円前後
特徴広々とした前室を備えたハイコストパフォーマンスなULテント
公式サイト公式サイトはこちら

【テラノバ】レーサーコンパクト1(究極の軽さ)

ギネス記録を持つほどの軽量テントを開発してきた英国ブランドの逸品です。収納時の長さがわずか30cmと非常にコンパクトで、バイクパッキングや最小限の装備で挑むアドベンチャーに最適。過酷な環境にも耐えうる設計がなされています。

項目内容
商品名レーサーコンパクト 1(Laser Compact 1)
価格帯70,000円〜85,000円前後
特徴収納サイズ30cmを実現した究極にコンパクトなULテント
公式サイト公式サイトはこちら

【シートゥサミット】アルト TR1 セミ自立式

画期的な「テンションリッジ」構造により、同クラスの軽量テントを凌駕する天井高と広さを実現しています。逆勾配のポール構造が換気効率を極限まで高めており、結露を最小限に抑える設計が魅力。快適性を一切妥協したくない方へ。

項目内容
商品名アルト TR1 テント
価格帯55,000円〜65,000円前後
特徴圧倒的な解放感と換気性能を実現した独創的デザイン
公式サイト公式サイトはこちら

軽量テント1kg以下を比較する際のチェック項目

自立式か非自立式か

テント選びの最も大きな分岐点は、テント自体がポールの張力で形を維持する「自立式」か、ペグ打ちによって形を作る「非自立式」かという点です。自立式は初心者でも迷わず設営でき、ペグが効かない場所でも内部に荷物を置けば安定します。日本の山岳地帯に多い岩場のテント場を頻繁に利用するなら、自立式、もしくは前側だけ自立するセミ自立式が圧倒的に有利です。一方で、非自立式はポールを省くことで圧倒的な軽さを得られますが、設営場所の選定やテンションの微調整に経験が必要です。

この比較において考えるべきは、「設営にかかるストレス」です。長距離を歩いて疲労が溜まっている時、暗闇や雨の中で複雑なペグダウン作業を強いられるのは、想像以上に辛いものです。自分の経験値と、軽量化への情熱を天秤にかけてください。最初は自立式から入り、スタイルが固まってきたら非自立式に挑戦するというステップアップも賢い選択です。1kg以下のカテゴリーであっても、この両者の間には運用面で大きな壁があることを理解しておきましょう。

また、強風時などの安定性も異なります。自立式は構造そのものが形を保とうとするため、風に対しても比較的安定しやすいですが、非自立式は風向きに合わせた設営がより重要になります。しかし、非自立式(特にモノポールタイプ)は風を受け流す能力に優れた形状のものも多く、一概にどちらが強いとは言えません。結局のところ、自分の設営スキルと、行く場所の環境を考慮して、「どちらが自分にとっての安全牌か」を判断基準に据えるのが最も重要です。

ダブルウォールの有無

テントの構造には、メッシュなどのインナーとフライシートの二重構造である「ダブルウォール」と、一枚の生地で構成される「シングルウォール」があります。1kg以下のテントでは、軽量化のためにシングルウォールを採用しているモデルが少なくありません。シングルウォールは部品点数が少ないため、設営が劇的に早く、重量も軽く抑えられます。しかし、最大の弱点は「結露」です。外気と室温の差によって生地の内側に水滴がつきやすく、寝ている間にシュラフが濡れてしまうリスクがあります。

ダブルウォールは、インナーテントがあるおかげで結露が直接体に触れるのを防ぎ、居住快適性が高いのがメリットです。特に日本の高温多湿な環境では、ダブルウォールの方が快適に過ごせる場面が多いでしょう。ただし、インナーがある分、重量はどうしても増える傾向にあります。1kg以下のダブルウォールテントは、インナーの一部をメッシュにしたり、生地を極限まで薄くしたりして重量バランスを取っています。通気性と保温性のどちらを優先するかという視点も必要です。

シングルウォールを選ぶなら、換気口(ベンチレーション)が効果的な位置にあるか、あるいは透湿性の高い高機能素材を使用しているかを確認してください。逆にダブルウォールを選ぶなら、フライとインナーの間に十分なクリアランス(隙間)が保てる設計かどうかがポイントになります。結露との戦いはテント泊の宿命ですが、そのストレスをどこまで許容できるか。軽さを取って工夫でカバーするか、重さを許容して快適さを取るか、非常に悩ましくも楽しい比較ポイントです。

前室の広さと利便性

「前室」とは、テントの入り口の外側に設けられた、屋根はあるけれど地面は露出しているスペースのことです。1kg以下の軽量テントにおいて、この前室の設計はメーカーのこだわりが最も色濃く出る部分です。前室が広いと、雨の日でも濡れずに靴の脱ぎ履きができたり、バーナーを使って調理をしたりすることができます。また、泥のついたザックや登山靴を室内に持ち込まずに済むため、就寝スペースを清潔に保つことができます。

しかし、軽量化を優先するあまり、前室が極端に狭いモデルや、片側にしかないモデルも存在します。前室がない場合、すべての荷物を室内に収納しなければなりませんが、一人用の軽量テントの室内はそれほど広くありません。ザックを枕にするなど工夫が必要になります。特に雨天時の山行を想定する場合、前室の有無は快適性を劇的に変えます。フライシートが入り口をどこまで覆っているか、サイドに荷物置き場としての余裕があるかを、図面やスペックから読み取ることが大切です。

また、前室の「形状」も利便性に影響します。横入りタイプのテントは前室が横に長く、荷物の整理がしやすい傾向があります。縦入りタイプは前室が奥行き方向に作られるため、雨の吹き込みを防ぎやすいという特徴があります。自分がテントでどのように過ごしたいか、雨の日にどのように振る舞いたいかをイメージしてみてください。重量わずか数十gの差であれば、前室の広さを優先したほうが、結果的に満足度の高いテント選びになることも珍しくありません。

付属ペグやポールの質

スペック表に記載されている「最小重量」には、多くの場合ペグや収納袋が含まれていません。しかし、実際に山に持って行く「総重量」を考える際、付属する小物の質は無視できない要素です。1kg以下のテントは、ポールにも一流メーカー(DAC社など)の最高級グレードを使用していることが多く、軽さと強度がハイレベルでバランスされています。安価なテントとの最大の違いは、このポールの信頼性にあると言っても過言ではありません。節の継ぎ目の精度や、曲がりにくさは、長く使う上で大きな安心感に繋がります。

ペグについても同様です。超軽量モデルには、一本10gを切るような超軽量なアルミペグやチタンペグが付属していることが一般的です。しかし、地面が硬い場所ではこれらの軽量ペグは曲がりやすく、打ち込みに苦労することもあります。テント本体が軽くても、信頼できるペグを追加で購入して重くなってしまっては本末転倒です。最初からどのようなペグが何本付属しているか、そのペグは自分が想定しているフィールドに適しているかを確認しておく必要があります。

さらに、ガイライン(張り綱)の質や、調節用の金具(自在金具)の使いやすさもチェックしましょう。細くて軽いラインは絡まりやすいですが、反射材が入っていれば夜間の視認性が高まります。こうした細かなパーツの積み重ねが、テントの使い勝手と最終的な重量を決定します。「本体が軽いから」という理由だけで選ぶのではなく、システム全体としての完成度を見極めることが、玄人好みの賢い比較方法です。細部にまで妥協のないメーカーの姿勢は、そのまま製品の信頼性に直結しています。

軽量テント1kg以下の購入時の注意点と活用法

専用フットプリントの要否

1kgを下回る軽量テントの多くは、フロア(底面)の生地が非常に薄く作られています。中には10デニールから20デニールといった、透けて見えるほど薄い素材もあります。そのため、地面に直接設営すると、鋭利な石や枝で簡単に穴が開いてしまうリスクがあります。そこで検討すべきなのが「フットプリント(グランドシート)」の使用です。メーカーが用意している専用のフットプリントを使えば、フロアを保護し、地面からの湿気も防いでくれるため、テントの寿命を大幅に延ばすことができます。

しかし、フットプリント自体も150g〜200g程度の重量があるため、せっかく1kg以下のテントを選んだのに、合わせると1kgを超えてしまうというジレンマが発生します。ここで活用したいのが、タイベックなどの建築資材を流用した自作の軽量シートです。専用品よりも圧倒的に軽く、コストも安く抑えられます。また、設営場所を徹底的に整地し、保護シートを使わないという「ULの割り切り」をするハイカーもいますが、これは高いスキルとリスク管理を伴います。

結論として、長く大切に使いたいのであれば、少なくとも最初はフットプリントの使用を強くおすすめします。特に日本の山岳地のテント場は、鋭利な石が混じった砂利場が多いのが現状です。フットプリントがあることで、雨天時の撤収も本体が汚れにくくなり、パッキングがスムーズになるというメリットもあります。重さを取るか、保護を取るか。自分のスタイルに合わせて、シートの素材や有無を選択することが、軽量テントを使いこなす第一歩と言えるでしょう。

結露対策の重要性を確認

軽量テント、特にシングルウォールや一部のセミ自立式モデルにおいて、最も避けて通れない課題が「結露」です。テント内部と外気の温度差、そして人間が放出する水蒸気によって、朝起きるとテントの内壁がびっしょり濡れていることがあります。1kg以下のテントは生地が薄いため、結露した水滴が重みで垂れてきたり、風で揺れた際に霧のように降ってきたりすることもあります。これを防ぐためには、とにかく「換気」を徹底することが不可欠です。

具体的な活用法としては、天候が許す限りベンチレーション(換気口)を全開にし、入口のジッパーも少し開けて空気の通り道を作ることが挙げられます。また、テントを設営する場所選びも重要です。水辺や窪地は湿気が溜まりやすいため、少しでも風通しの良い高台を選ぶだけで結露の量は劇的に変わります。また、壁面に直接シュラフや荷物が触れないようにパッキングを工夫することも、濡れを防ぐための有効なテクニックです。

それでも結露は完全に防げるものではありません。そのため、軽量な速乾タオル(マイクロファイバーなど)を携帯し、結露が発生したらこまめに拭き取る習慣をつけましょう。濡れたままにしておくと、撤収時にテントが重くなり、結果的に軽量化のメリットを打ち消してしまいます。「結露は起こるもの」と前提に立ち、それに対処するためのツールや設営の知識を身につけること。それこそが、超軽量テントという繊細な道具を使いこなすハイカーの嗜みです。

強風時の固定方法を学ぶ

軽量テントは生地もポールも細いため、強風に対する耐性は重量級のテントに比べれば物理的に劣ります。しかし、正しい設営方法をマスターすれば、1kg以下のモデルでもかなりの強風に耐えることが可能です。まず重要なのは、テントの「向き」です。風を受ける面積が最も小さい方向に背を向け、風を受け流すように設営します。多くの軽量テントは風の抵抗を計算した流線型のデザインになっていますが、設営の向きを間違えると、その性能を発揮できません。

次に、ガイライン(張り綱)をすべて適切に張ることです。軽量化のためにガイラインを省略して設営する人もいますが、これは厳禁です。すべての固定ポイントからしっかりとテンションを掛けることで、ポールにかかる負荷を分散し、テント全体の強度を高めることができます。また、付属のペグが効きにくい場所では、大きな石を重りとして利用する「石積み固定」の技術も必要になります。岩場での固定方法は、軽量テントを運用する上で必須のスキルと言えます。

さらに、夜間に風が強まることが予想される場合は、就寝前に再度テンションの緩みを確認しましょう。シルナイロン素材は濡れると伸びる性質があるため、雨が降った後はラインが緩みやすくなります。ピンと張った状態を維持することが、風による破損や騒音を防ぐ最大の防御策です。軽量テントは道具に頼り切るのではなく、使い手の「設営力」で性能を補完するものです。そのプロセスを楽しむ余裕を持つことが、安全なULハイクに繋がります。

生地の薄さへの配慮が必要

1kg以下のテントを手にしたとき、多くの人がその「生地の薄さ」に驚くはずです。これは最新技術の結晶ですが、同時に「丁寧な扱い」が求められるデリケートな素材でもあります。例えば、ジッパーの開閉時に生地を噛み込んでしまうと、それだけで薄い生地は破れてしまうことがあります。ジッパーを動かす際は、生地をピンと張るか、指を添えて噛み込みを防ぐなど、普段以上に繊細な動作を心がける必要があります。

また、汚れがついた際の手入れも重要です。生地に染み込んだ砂や泥は、繊維を傷つけ、防水コーティングの劣化を早める原因になります。下山後は必ず風通しの良い場所で陰干しし、汚れは柔らかいスポンジなどで優しく落としてください。洗濯機や強い洗剤の使用は、薄いコーティングを剥がしてしまうため厳禁です。また、保管時もきつく畳んだままにせず、ゆったりとした収納袋に入れるか、ハンガーにかけておくことで、シワによる劣化を防ぐことができます。

生地の薄さは、光の透過性にも関係します。夜間にテント内でランタンを灯すと、シルエットが外から丸見えになることもあります。プライバシーを気にする場合は、ランタンの配置を工夫したり、光量を抑えたりといった活用術も知っておくと役立ちます。軽量テントを選ぶということは、単に装備を軽くするだけでなく、道具を愛しみ、その限界を知りながら丁寧に扱うという「新しい登山の作法」を取り入れることでもあります。その配慮こそが、テントの寿命を延ばし、最高のパフォーマンスを引き出してくれるのです。

自分に合う軽量テント1kg以下を見つけよう

「軽量テント 1kg以下」というカテゴリーは、今や技術の進歩によって、単なる「軽さの追求」を超えた「新しい自由」を私たちに提供してくれています。かつては快適さを犠牲にしなければ到達できなかったこの重量域において、現在では、驚くほど広い居住空間を持つモデルや、厳しい環境に耐えうる強靭なモデル、さらには驚異的なコストパフォーマンスを実現したモデルまで、実に多彩な選択肢が揃っています。

自分にぴったりの一張りを見つけるためには、カタログスペックの数字を眺めるだけでなく、自分が実際に山で過ごす姿を具体的にイメージすることが大切です。「一分一秒を争うスピードハイクを楽しみたいのか」「夕暮れ時に前室でコーヒーを淹れる時間を大切にしたいのか」「多少の重さは覚悟しても、絶対に安心して眠れる自立式を選びたいのか」。その答えの中に、あなたにとっての正解があります。今回紹介した7つのモデルは、どれも個性的で、それぞれの分野でトップクラスの実力を持つものばかりです。

また、軽量テントを手に入れることは、パッキング全体の再考や、設営スキルの向上、道具をケアする心の余裕など、登山者としての成長を促すきっかけにもなります。装備が軽くなることで、これまで見過ごしていた足元の高山植物や、広大な稜線の景色に目を向ける余裕が生まれます。それこそが、UL(ウルトラライト)というスタイルが持つ真の価値ではないでしょうか。1kg以下のテントは、あなたの山歩きをより軽やかに、そしてより深く豊かなものへと変えてくれる魔法の道具です。

もちろん、高価な買い物ですから迷うこともあるでしょう。しかし、信頼できるメーカーの軽量テントは、適切なメンテナンスを行えば何年もあなたの旅を支えてくれます。今回解説した選び方の基準や注意点を参考に、自分の体力や目指すスタイルに最適な相棒を選び出してください。新しいテントが届き、初めて山で広げる瞬間の高揚感は、何物にも代えがたいものです。軽量化の先にある、まだ見ぬ景色を目指して。あなたの挑戦を支える最高の一張りに出会えることを心から願っています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

休日は川や湖でのんびりカヌーを楽しむのが大好きなアウトドア女子です。自然の中で過ごす時間が心地よく、その魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、記事を書き始めました。
これから「カヌーやキャンプをやってみたい!」と思った方が、一歩踏み出すきっかけになるような記事をお届けしていきます。

目次