ノースフェイスのマウンテンジャケットとマウンテンライトジャケットの違いはここで決まる
ノースフェイスのアイコンである「マウンテンジャケット」と、街着としても絶大な人気を誇る「マウンテンライトジャケット」。一見似ているこの2着ですが、実は生地の厚みや機能面で大きな差があります。本格的な雪山登山から日常の通勤まで、自分がどの程度のアクティビティを想定しているかによって正解は変わります。両者の決定的な違いを紐解き、後悔しない一着選びのポイントを詳しく解説します。
生地の硬さと耐久性に差が出る
両者の最も分かりやすい違いは、生地の厚みを示す「デニール数」にあります。マウンテンジャケットは「150デニール」という非常に厚手で頑丈な生地を採用しています。触った瞬間に「鎧(よろい)」のような硬さを感じるほどで、岩場での擦れや木の枝への引っ掛けに対しても圧倒的な耐久性を誇ります。本格的な登山やカヌーのキャリーなど、ハードな環境下で道具として使い倒したい方には、この堅牢さが大きな安心感に繋がります。
一方のマウンテンライトジャケットは「70デニール」の生地を使用しています。マウンテンジャケットに比べると半分以下の厚みですが、一般的なナイロンジャケットとしては十分に丈夫な部類です。生地がしなやかで柔らかいため、腕の曲げ伸ばしがスムーズで、長時間着用していても疲れにくいのが特徴です。また、生地が薄い分、折りたたんでバッグに収納する際もかさばりにくく、日常的な取り回しの良さはマウンテンライトジャケットに軍配が上がります。
この生地の厚みの差は、見た目の質感にも影響します。マウンテンジャケットは重厚感があり、シルエットが崩れにくい「パリッ」とした立ち姿になります。対してマウンテンライトジャケットは少しマットで落ち着いた雰囲気があり、街中でのカジュアルな服装により馴染みやすい質感を持っています。耐久性を最優先して「一生物」として選ぶか、軽快な着心地を優先して「日常の相棒」として選ぶかが、最初の分岐点となります。
防水透湿のグレードが違う
どちらも世界最高峰の防水透湿素材「GORE-TEX(ゴアテックス)」を採用していますが、その構造とグレードには細かな違いがあります。マウンテンジャケットは、過酷な環境下での使用を想定し、裏地にレーザーパンチングを施したメッシュなどを組み合わせた高度な構造になっています。さらに、雪の侵入を防ぐ「スノーカフ(取り外し可能なスカート)」が標準装備されているのが大きなポイントです。これにより、冬の雪山やスキー・スノーボードといったウィンタースポーツにも完全対応できるスペックを備えています。
マウンテンライトジャケットは、GORE-TEXの2層構造を採用しており、防水性能そのものは非常に高いものの、スノーカフのような本格的な雪山用装備は省かれています。その分、構造がシンプルで軽くなっており、春先や秋口のレインウェアとしても非常に優秀な性能を発揮します。雨の中でのカヌー操作や、キャンプでの設営作業などであれば、マウンテンライトジャケットのスペックでも十分すぎるほどの恩恵を受けることができます。
また、意外と見落とされがちなのが「フロントジッパー」の仕様です。マウンテンジャケットは防水性を高めるためのダブルフラップ仕様に加え、ジッパー自体も非常に堅牢な作りになっています。マウンテンライトジャケットもダブルフラップを採用していますが、より軽量なパーツが使われており、軽快な操作性を重視しています。極限の状況で身体を守る「シェル」としての性能を求めるならマウンテンジャケット、雨や風を凌ぐ「万能アウター」としての性能を求めるならマウンテンライトジャケットが最適です。
シルエットと着心地の方向性が異なる
シルエットの設計思想も、両者で明確に分かれています。マウンテンジャケットは、もともと登山の際のレイヤリング(重ね着)や、ハーネスの装着を想定して設計されているため、着丈がやや短めで身幅にゆとりがある「ボックスシルエット」に近い形をしています。これにより、厚手のフリースやインナーダウンを着込んでも動きを妨げず、アクティブな動作に対応できるのが強みです。着用すると上半身がガッシリとして見える、男性的でスポーティーな印象を与えます。
一方のマウンテンライトジャケットは、近年のおしゃれ着としての需要も考慮されており、着丈がやや長めに設定されています。お尻が半分隠れる程度の長さがあるため、防風性が高く、また縦のラインが強調されるためスッキリとした印象になります。身幅も適度にゆとりがありますが、マウンテンジャケットほど「膨らみ」が強くないため、街中で細身のパンツと合わせてもバランスが取りやすく、洗練された都会的なシルエットを作り出すことができます。
着心地の面では、マウンテンジャケットは生地の重みを感じますが、その分「守られている」という安心感があります。一方、マウンテンライトジャケットはとにかく軽く、動き出しのストレスがありません。首周りの立ち上がりも異なり、マウンテンジャケットは襟が高く自立するため、ジッパーを閉めた際に顔半分を覆うような高い防風性を発揮します。マウンテンライトジャケットも襟は高いですが、素材が柔らかいため、程よく首元に沿うような優しいフィット感になります。
季節とシーンで向き不向きが分かれる
使う季節や具体的なシーンを想像すると、どちらが自分に合っているかがより明確になります。マウンテンジャケットが最も真価を発揮するのは「冬」です。150デニールの厚手生地は風を通しにくく、中にダウンやフリースを連結すれば、氷点下の環境でも無類の暖かさを提供してくれます。冬山登山はもちろん、真冬のバイク走行や寒冷地への旅行、雪かき作業など、厳しい寒さと戦う場面ではマウンテンジャケットの独壇場となります。逆に、初夏や梅雨時に着るには少し重厚すぎて暑苦しく感じてしまうかもしれません。
マウンテンライトジャケットは、「通年での汎用性」において圧倒的です。春や秋の肌寒い時期には、シャツやカットソーの上にさらりと羽織るライトアウターとして活躍します。夏のキャンプでの雨対策としても、マウンテンジャケットほど大げさにならずに持ち運べます。冬場はノースフェイス独自の「ジップインジップシステム」を活用して、内側に厚手のフリースを連結すれば、街中での防寒着としては十分すぎるほどの性能を発揮します。
カヌーなどの水辺のアクティビティであれば、初春から晩秋まで長く使えるマウンテンライトジャケットの方が、出番は多くなるでしょう。しかし、冬の早朝の静かな湖畔でカヌーを出すような、極限の寒さが予想される場面なら、マウンテンジャケットの重厚な防御力が欲しくなります。「一年中使い倒したい」ならライト、「冬の厳しい環境を本気で楽しみたい」ならジャケットを選ぶのが、最も失敗の少ない選び方と言えます。
マウンテンジャケットとマウンテンライトジャケットのおすすめはどれ?
結論から言うと、どちらも「間違いのない名作」ですが、ライフスタイルによっておすすめのモデルは変わります。本格的なスペックを求めるなら「NP61800(マウンテンジャケット)」、日常使いとコスパを重視するなら「NP12333(マウンテンライトジャケット)」が基本となります。さらに、最近では街着としてのトレンドを意識したカラーバリエーションや、特定の季節に特化したセット提案なども豊富です。
マウンテンジャケットは、その圧倒的な存在感からブラックやニュートープといった落ち着いた色を選ぶと、一生モノの道具としての風格が出ます。一方で、マウンテンライトジャケットは、シーズンごとの新色(限定色)が非常に魅力的で、少し遊び心のあるカラーを選んでも、素材がしなやかなので派手すぎずにお洒落にまとまります。
特にカヌーやキャンプなどのアウトドアライフを楽しんでいる方には、まずはマウンテンライトジャケットをおすすめします。持ち運びのしやすさと、幅広い気温への対応力は、フィールドでの大きな武器になります。しかし、一度マウンテンジャケットの「鎧のような安心感」を体験してしまうと、他のジャケットには戻れないというファンが多いのも事実です。自分のクローゼットにある服や、これから挑戦したいアクティビティを思い浮かべて、理想の相棒を選び抜きましょう。
スペックで見ると何が違う?買う前に知りたいチェック項目
カタログスペックだけでは分かりにくい、実用面での細かな違いを深掘りします。特に「重さ」や「ベンチレーションの有無」などは、実際に使ってみて初めてその重要性に気づくポイントです。購入前に自分の優先順位を確認しておきましょう。
素材構成とゴアテックスの種類
マウンテンジャケットには「150D GORE-TEX Plain Woven(2層)」が採用されており、表地が極めて頑丈です。この厚みがあることで、強風にさらされても生地がバタつきにくく、衣服内の暖かい空気を逃がしにくいという防寒上のメリットがあります。また、肩周りなどの摩耗しやすい部分には補強が入っているなど、プロ仕様の細かな配慮がなされています。
対するマウンテンライトジャケットは「70D GORE-TEX(2層)」です。数値上はマウンテンジャケットの半分以下ですが、日常やハイキングでの使用には十分すぎる強度を持っています。特筆すべきは、マウンテンライトジャケットの方が生地がしなやかなため、ゴアテックス特有の「シャカシャカ音」が比較的抑えられている点です。静かな森の中を歩く際や、街中での着用時には、このしなやかさが快適性に繋がります。
重さと持ち運びやすさ
重量の差は、手で持った時よりも、長時間着た時やザックに収納した時に顕著に現れます。マウンテンジャケットは約825g(Lサイズ)と、しっかりとした重量感があります。着てしまえば荷重が分散されますが、脱いで手に持つと少しズッシリと感じます。長期の遠征や、荷物を極限まで削りたいカヌーツーリングなどでは、この重さがデメリットになることもあります。
マウンテンライトジャケットは約700g(Lサイズ)前後と、マウンテンジャケットより100g以上軽くなっています。この差は大きく、バックパックのサイドポケットに差し込んだり、小さく丸めてパッキングしたりする際のストレスが大幅に軽減されます。旅行や出張の際の雨具兼アウターとして選ぶなら、この軽さと収納性は決定的なアドバンテージとなります。
ベンチレーションやポケットの使い勝手
大きな違いとして挙げられるのが、脇の下の「ベンチレーション(通気口)」の有無です。マウンテンジャケットには脇の下にジッパーがあり、開けることで衣服内の熱を一気に逃がすことができます。カヌーのパドリングや激しい登坂など、冬場でも汗をかくシーンでは、この機能がウェア内をドライに保つために非常に重要です。
マウンテンライトジャケットには脇のベンチレーションがありません。代わりに、フロントの大きなポケットがメッシュ構造になっており、ジッパーを開けることで多少の換気ができるようになっていますが、冷却能力はマウンテンジャケットに劣ります。また、マウンテンジャケットはポケットの配置がバックパックの腰ベルトに干渉しないよう高めに設定されているなど、より実戦的なレイアウトになっています。
インナー連結など拡張性の違い
どちらもノースフェイス独自の「ジップインジップシステム」を採用しており、内側の専用ジッパーにフリースなどを連結して「一枚の防寒着」として使うことができます。しかし、注意が必要なのは「着丈の差」です。マウンテンライトジャケットは着丈が長いため、連結するフリースのサイズや種類によっては、内側のフリースが短く感じたり、逆に裾から少し覗いてしまったりすることがあります。
マウンテンジャケットは、同システムの基準となるサイズ感で作られているため、連結した際の収まりが非常に美しいのが特徴です。また、マウンテンジャケットは袖口のベルクロ(マジックテープ)もより強固で太いものが使われており、厚手の手袋をしたままでも操作しやすくなっています。システムとしての「完成度」や、極寒地での「拡張性」を重視するなら、マウンテンジャケットの設計はやはり秀逸です。
どっちが向いてる?目的別の選び方と着こなしイメージ
最終的にどちらを選ぶべきか、具体的な使用シーンを想定してまとめました。自分のスタイルに当てはめて、最高の相棒を決定しましょう。
登山や悪天候メインならマウンテンジャケット
雪山登山、本格的な冬キャンプ、あるいは極寒の湖でのカヌーなど、過酷な環境に身を置くことが多いなら、迷わず「マウンテンジャケット」を選んでください。150デニールの生地がもたらす圧倒的な「防御力」は、他のジャケットでは代えがたい安心感を与えてくれます。吹雪の中でも生地がバタつかず、高い襟が冷気を完全にシャットアウトします。
着こなしとしては、本格的なトレッキングパンツや厚手のブーツと合わせた、無骨なアウトドアスタイルが最もよく映えます。道具としての美しさが際立っているため、余計な装飾をせずシンプルにまとめるのが「玄人感」を出すコツです。一生モノの「ギア」を手に入れるという感覚で選んで間違いありません。
旅行や街使い中心ならマウンテンライトジャケット
通勤や通学、週末の旅行や軽いキャンプなどがメインであれば、「マウンテンライトジャケット」が正解です。軽快な着心地としなやかな生地は、日常の動作を一切妨げません。着丈が長くスマートなシルエットなので、細身のデニムや黒のスラックス、あるいはジョガーパンツなど、街着のトレンドアイテムとも相性が抜群です。
春先には白Tシャツの上に羽織ってクリーンに、秋にはパーカーをインナーに入れてカジュアルに。一年のうち、最も長い期間クローゼットの一番手に君臨するのは、間違いなくこのライトの方でしょう。価格面でもマウンテンジャケットより数万円安く設定されており、手に入れやすさと実用性のバランスが完璧な「神アウター」と言えます。
冬はインナー次第で快適さが変わる
冬場の防寒性は、どちらを選んでも「インナー選び」が鍵を握ります。マウンテンジャケットは生地自体に厚みがあるため、薄手のフリースを一枚入れるだけでかなりの防寒性を発揮します。一方のマウンテンライトジャケットは、生地が薄い分、冬場はインナーダウンや厚手のデナリジャケットなどをジップインジップで連結するのが定番のスタイルです。
「ジャケット一枚でなんとかしたい」ならマウンテンジャケット、「季節に合わせてインナーで微調整したい」ならマウンテンライトジャケットという考え方もできます。いずれにせよ、GORE-TEXは風を完全に防いでくれるため、内側に暖かい空気の層(ダウンやフリース)を作ってあげれば、どちらも真冬の頼もしい味方になります。
サイズ選びで印象と動きやすさが変わる
サイズ選びも両者でコツが異なります。マウンテンジャケットは、もともとゆとりのある作りなので、いつものサイズを選べばレイヤリングの余裕が確保されます。大きすぎると着丈の短さが強調されてしまい、少しバランスが難しくなるため、ジャストサイズから少しリラックスした程度が最も美しく見えます。
マウンテンライトジャケットは、あえてワンサイズ上げて、着丈の長さを活かした「オーバーサイズ気味」に着こなすのが現在のトレンドです。裾のドローコードを絞ることで丸みのあるシルエットに調整できるため、自分の体型や普段のファッションスタイルに合わせて、少し遊び心を持ってサイズを選んでみるのも面白いでしょう。
マウンテンジャケットとマウンテンライトジャケットの違いを知って納得して選ぼう
ノースフェイスの2大名作、マウンテンジャケットとマウンテンライトジャケット。
- 究極の堅牢さと冬の本格スペックを求めるなら「マウンテンジャケット」
- 軽快な着心地と通年での汎用性、街でのスタイルを重視するなら「マウンテンライトジャケット」
違いを理解した上で選べば、どちらを選んでもあなたの毎日をよりアクティブで快適なものに変えてくれます。カヌーのパドルを漕ぐ際、キャンプで焚き火を囲む時、あるいは雨の街を歩く時。最高のジャケットは、あなたの背中を静かに支えてくれるはずです。自分にとっての「最高の一着」を手に取って、新しいフィールドへ出かけましょう。
次はどんなインナーを合わせるか、気になりませんか?
よろしければ、「マウンテンジャケットに最適なジップインジップ対応フリース」や、「70デニール生地を長持ちさせる正しい洗濯方法」について詳しくお調べしましょうか?“`

