スノーピークのIGT(アイアングリルテーブル)は、自分好みにパーツを組み替えられる自由度が最大の魅力です。しかし、純正品以外や他メーカーのアイテムを組み合わせる際、ぴったりとはまる「シンデレラフィット」を実現するにはいくつかの条件があります。ユニットサイズの基本ルールや、隙間なく美しく仕上げるためのポイントを理解して、世界に一つだけの理想的なアウトドアキッチンを作り上げましょう。
IGTの天板がシンデレラフィットする条件
IGTのフレームに天板を収めるには、単にサイズが近いだけでは不十分です。スノーピークが提唱する「ユニット」という独自の規格を正しく理解し、それに合わせたパーツ選びが必要になります。純正品であれば間違いありませんが、ガレージブランドの製品や自作の天板を組み合わせる場合には、ミリ単位の精度が求められます。見た目の美しさと使い勝手を両立させるための、具体的な条件を詳しく解説します。
1ユニットとハーフユニットの寸法をそろえる
IGTシステムの基本は、すべてのパーツが特定の倍数で構成されている点にあります。最も基準となる「1ユニット」のサイズは、幅250mm×奥行360mmです。そして、そのちょうど半分にあたるのが「ハーフユニット」で、サイズは幅125mm×奥行360mmとなっています。この寸法が1ミリでもズレてしまうと、フレームに入らなかったり、逆に大きな隙間が空いてガタついたりする原因になります。
シンデレラフィットを狙って他社製の天板やコンテナを探す際は、まずこの「250×360」または「125×360」という数字を基準にしてください。最近では多くのガレージブランドがこの規格に合わせた製品を出していますが、製品によっては微妙に余裕を持たせているものもあります。フレームの内側にぴったり収めるためには、この縦横の比率が守られていることが大前提となります。レイアウトを考えるときは、フレームが何ユニット分なのかを確認し、パズルを埋めるようにパーツを組み合わせていくのがコツです。
フレームの溝と爪の形状が合うか確認する
IGTのフレームには、天板やバーナーを固定するための専用の「溝」があります。純正の天板やパーツの裏側には、この溝にしっかりとはまり込むための「爪」や突起が付いており、これがあることで使用中に天板が横にズレたり外れたりするのを防いでいます。他メーカーの天板や自作の板を載せるだけの場合、この固定機能がないため、調理中に板が動いてしまうリスクがあります。
シンデレラフィットを追求するなら、単にサイズが合うだけでなく、この「固定の安定感」にも注目しましょう。厚みのある板であれば、裏側に小さな木片を取り付けてストッパーにしたり、フレームの段差に引っかかるような工夫を施したりすることで、純正品に近い安定感を得られます。また、フレームの角にあるアール(丸み)の形状も重要です。四隅が直角の板を入れようとすると、フレームの角と干渉して浮いてしまうことがあるため、角の処理がどのようになされているかもチェックすべきポイントです。
熱に強い素材かどうかで使い方が変わる
IGTはバーナーを組み込んで調理を行うシステムであるため、天板の素材選びは使い勝手に直結します。人気の高い竹製の天板は、見た目が優しく手触りも良いですが、火元に近すぎると焦げたり、熱で反りが出たりすることがあります。一方で、ステンレス製やアルミニウム製の天板は熱に非常に強く、加熱直後の鍋やケトルをそのまま置けるという大きなメリットがあります。
シンデレラフィットする天板を配置する際は、「その場所で何をするか」を明確にしましょう。バーナーのすぐ隣にはステンレス製の天板を配置し、少し離れた作業スペースには温かみのあるウッド天板を置くといった使い分けが理想的です。素材によって板の厚みも異なるため、異なる素材を並べたときに段差ができないかどうかも確認が必要です。段差のないフラットな天板を実現できれば、作業効率が上がり、見た目の洗練度も一気に高まります。
収納サイズと重量が運用に合うかを見る
ぴったりはまる天板を見つけても、それが重すぎたり、収納時にかさばったりしては、キャンプでの運用が大変になります。例えば、全面をステンレス天板で埋め尽くすと、耐久性は抜群ですが全体の重量がかなり重くなり、持ち運びやフレームへの負担が増してしまいます。逆に薄すぎるアルミ板などは、軽くて扱いやすい反面、重いものを載せたときにたわんでしまい、シンデレラフィット特有の「カチッとした質感」が損なわれることがあります。
また、天板の枚数が増えるほど収納の工夫も必要になります。ハーフユニットを多用するとレイアウトの自由度は上がりますが、撤収時にバラバラになりやすく、紛失のリスクも高まります。自分のキャンプスタイルが「設営の速さ」を重視するのか、「レイアウトのこだわり」を重視するのかによって、選ぶべき天板のサイズと枚数のバランスが決まります。収納ケースに収まる厚みかどうかも含めて、トータルでの運用イメージを膨らませておくことが、後悔しない選び方の秘訣です。
IGTで使いやすい天板・天板代わりのおすすめ
IGTのカスタマイズにおいて、天板は最も個性が現れる部分です。純正品の信頼感はもちろんですが、最近では機能を拡張した便利なパーツや、軽量化に特化した互換アイテムも増えています。ここでは、2026年現在のアウトドアシーンで特に評価の高い、IGTフレームにフィットする天板とその代用品をご紹介します。
| 商品名 | ユニット | 特徴 | 公式リンク |
|---|---|---|---|
| ウッドテーブル 竹 | 1ユニット | 純正の安心感。質感が良く、作業台に最適 | スノーピーク公式 |
| ステンレストレー 1ユニット | 1ユニット | 熱に強く、汚れても掃除が簡単な定番パネル | スノーピーク公式 |
| リッドトレー ハーフユニット | ハーフ | 薄型でスマート。隙間埋めに非常に便利 | スノーピーク公式 |
| ステンボックス 1ユニット | 1ユニット | 収納と天板を兼ねる、深さのあるボックス | スノーピーク公式 |
| 互換アルミメッシュ天板 | 1ユニット | 軽量で通気性が良く、水切りにも使える | Amazon等で確認 |
スノーピークの竹天板で作業スペースを増やす
スノーピーク純正の「ウッドテーブル 竹」は、IGTユーザーなら一枚は持っておきたい基本の天板です。竹素材特有の清潔感と適度な硬さがあり、まな板を置いて調理をしたり、コーヒーセットを並べたりするのに最高のステージとなります。純正品だけあって、フレームへの収まりは完璧で、微塵のガタつきもありません。
複数の竹天板を並べることで、アウトドアとは思えないほど広々としたダイニングテーブルが完成します。竹は環境負荷が低い素材としても知られており、自然の中で使う道具として非常にマッチします。表面にはコーティングが施されているため、多少の水こぼしならサッと拭き取れますが、長く美しく使うためには、定期的に乾燥させてメンテナンスを行うのがコツです。
ステンレス天板で熱い鍋をそのまま置けるようにする
調理をメインに楽しむなら、ステンレス製の天板は欠かせません。純正の「ステンレストレー」は、1ユニットサイズとハーフユニットサイズの両方がラインナップされており、バーナーの配置に合わせて自在に組み合わせることができます。最大の利点は、火から下ろしたばかりの熱いクッカーやケトルを、鍋敷きなしでそのまま置ける点にあります。
また、油汚れや食材のカスがついても、洗剤でガシガシ洗えるため、衛生面でも非常に優れています。ウッド天板の中に一枚ステンレスを混ぜるだけで、サイト全体の雰囲気が引き締まり、プロの厨房のような機能的な美しさが生まれます。傷を気にせずタフに使えるため、ハードなキャンプを楽しみたい方にぴったりの選択肢です。
リッドトレーで濡れ物や調味料の置き場を作る
「リッドトレー」は、通常の天板よりも縁が少し立ち上がっている、トレイ状のパーツです。これが非常に便利で、調理中に転がりやすい卵や、小さな調味料のボトルなどを置いておくのに最適です。ハーフユニットサイズのリッドトレーをフレームの両端に配置すれば、メインの調理スペースを広く保ちつつ、必要な小物を手の届く範囲に整理できます。
また、リッドトレーはステンレス製なので、洗ったばかりのカトラリーを置いて水切りにするような使い方も可能です。天板を単なる「平らな板」としてだけでなく、小物をホールドする「受け皿」として活用することで、IGTの使い勝手は飛躍的に向上します。ちょっとした隙間を埋めるのにも重宝するため、レイアウトの調整役として非常に優秀なアイテムです。
ステンボックスで小物収納と天板化を両立する
「ステンボックス」は、フレームに吊り下げて使う深型の収納ボックスですが、蓋を閉めればそのままフラットな天板として機能します。これは「収納」と「作業台」を一つのユニットスペースで完結させられる、非常に効率的なアイテムです。中にはカトラリーやキッチンツール、予備のガス缶などを収納しておき、調理中はその上が広々としたスペースになります。
特にテーブルの上が散らかりやすいファミリーキャンプでは、この「隠せる収納兼天板」が威力を発揮します。中身を取り出すときは蓋を開ける手間がありますが、テーブルの上が常に整理整頓された状態を保てるメリットは大きいです。純正のハーフサイズボックスを二つ並べたり、1ユニットの大きなボックスを中央に配置したりと、収納量に合わせたカスタマイズが楽しめます。
互換アルミ天板(1ユニット)で軽量化する
最近では、純正品にはない「軽さ」を求めて、サードパーティ製のアルミ天板を導入するキャンパーが増えています。アルミはステンレスよりもはるかに軽量で、かつ熱にも強いため、装備を少しでも軽くしたい方に最適です。多くの互換品がIGTの250×360mm規格で作られており、純正フレームに驚くほどぴったりとはまるものが増えています。
デザインも豊富で、ブラック塗装が施された無骨なモデルや、レーザーカットによる幾何学模様がお洒落なモデルなど、純正にはない個性を演出できます。アルミ天板は表面の加工によって傷の目立ちにくさが変わるため、ザラつきのあるサンドブラスト加工などが施されたものを選ぶと、キャンプ道具らしいラフな扱いにも耐えてくれます。
互換アルミ天板(ハーフ)でレイアウトの自由度を上げる
ハーフユニットの互換アルミ天板は、レイアウトに細かな「味付け」をするのに役立ちます。例えば、バーナーの間に125mmの隙間を空けてアルミ天板を挟むことで、おたまやトングを置くスペースを確保できます。アルミ製であれば、調理中の熱や油が飛んでも安心です。
また、ハーフユニットは1ユニットよりも持ち運びが容易で、隙間に差し込んでパッキングできるため、荷物をコンパクトにまとめたいソロキャンプにも向いています。他メーカーの製品を選ぶ際は、板の厚みが純正品(多くは約10mm〜15mm程度の段差を考慮したもの)と合うかどうかを確認してください。面一(ツライチ)に揃うものを選べば、段差のない完璧なシンデレラフィットを実現できます。
バーナー周りの遮熱・風防付き天板で調理を安定させる
特定のバーナー(例えばスノーピークのフラットバーナーなど)に合わせて設計された、遮熱機能や風防機能を持つカスタム天板も人気です。これはバーナーを囲うように設置する天板で、風の影響を最小限に抑えつつ、周りの天板が熱くなるのを防ぐ役割を果たします。
こうした専用設計の天板は、機能性だけでなく見た目の一体感が非常に高いのが特徴です。バーナーと天板が隙間なく結合する様子は、まさにシンデレラフィットの極みといえます。調理をより本格的に楽しみたいなら、こうした「バーナー一体型」のカスタムパーツを検討してみるのも面白いでしょう。風の強い日でも安定した火力を維持でき、料理の完成度が上がります。
IGT天板のシンデレラフィットを失敗しないチェック手順
理想の天板を見つけたと思っても、実際にフレームに載せてみるまで安心はできません。IGTの世界には、一見同じように見えても微妙に仕様が異なるパーツが混在しているからです。せっかく購入した天板がガタついたり、浮いてしまったりするのを防ぐために、購入前、あるいは自作する際に必ず確認すべき4つのチェックポイントをまとめました。
基準は360×250と360×125の寸法で考える
何はともあれ、まずは寸法の再確認です。IGTの1ユニットは「360mm × 250mm」、ハーフユニットは「360mm × 125mm」です。他メーカーの製品や、100円ショップの網、あるいはDIY用の板などを探す際は、この数字を基準に探してください。奥行きの360mmはフレームの溝にまたがる部分なので、ここがズレると設置すらできなくなります。
幅についても同様で、250mmより大きいと入りませんが、小さすぎるとフレームの間から下に落ちてしまいます。特に海外製の互換品や、本来はIGT用ではない代用品を探すときは、表記されているサイズが「外寸」なのか「有効内寸」なのかを慎重に見極める必要があります。もし自作する場合は、少し大きめにカットしてからヤスリで削って微調整していくのが、完璧なフィット感への近道です。
角のRと板厚でハマり具合が変わる点を知る
寸法と同じくらい重要なのが、板の四隅の「角の丸み(R)」と「厚み」です。IGTの純正フレームの角には、安全面と強度のためにわずかな丸みがあります。そのため、四隅が完全に直角(90度)の板を入れようとすると、この丸みと干渉してしまい、板が奥まで沈み込まずに浮いてしまうことがあります。
また、板の厚みもフラットな仕上がりに大きく関わります。IGTのフレームには約10mm程度の段差が設けられており、純正のウッドテーブルはこの厚みに合わせて作られています。しかし、市販の3mm程度の薄いアルミ板などをそのまま載せると、フレームの縁よりもかなり低い位置に沈んでしまい、不格好な段差ができてしまいます。これを解消するには、板の裏にゲタ(スペーサー)を履かせて高さを調整するなどの工夫が必要になります。
熱源の位置と耐熱温度の目安を合わせる
シンデレラフィットするレイアウトを組む際、最も考慮すべきは「熱源との距離」です。バーナーの真横に竹製の天板を置く場合、長時間強火で調理を続けると、放射熱によって竹が焦げたり、表面のコーティングが溶けたりすることがあります。これを防ぐには、バーナーの周囲少なくともハーフユニット分はステンレス製などの不燃素材を配置するのが安全です。
また、素材ごとの耐熱温度も把握しておきましょう。プラスチック製やシリコン製のマット、あるいは薄い木板などは、予期せぬ熱で変形する可能性があります。シンデレラフィットを狙うあまり、安全性を疎かにしてはいけません。熱の影響を受けやすい場所には金属製を、食卓として使う場所にはウッド製を、というように機能に合わせた素材配置を心がけることが、長く道具を愛用するための鉄則です。
ぐらつき防止の固定と段差調整を用意する
完璧にフィットしているように見えても、いざ使ってみるとカタカタと音がしたり、手をついた瞬間にズレたりすることがあります。これを防ぐのが「ぐらつき防止」の工夫です。純正品には裏側に突起がありますが、自作や他社製の場合は、裏側にゴム足を取り付けたり、薄いクッションテープをフレームとの接触面に貼ったりすることで、不快なガタつきを解消できます。
また、複数のメーカーの天板を混ぜて使う場合は、どうしても微妙な段差が生じがちです。そんな時は、薄いワッシャーや木片を挟んで「段差調整」を行いましょう。テーブル面が一点の曇りもなくフラットになると、飲み物をこぼしにくくなるだけでなく、調理中の包丁使いもスムーズになります。細かな調整を積み重ねて、指先でなぞっても引っかかりのない「究極のフラット」を目指す過程こそが、IGTカスタムの醍醐味です。
IGT天板の選び方まとめ
IGTの天板でシンデレラフィットを実現することは、単なる自己満足ではなく、キャンプでの調理や食事の時間を劇的に快適にするための「システム構築」そのものです。基準となるユニットサイズを正しく理解し、素材の特性や固定方法にまでこだわることで、純正品にはない自分だけの理想のテーブルを作り上げることができます。
2026年のアウトドアスタイルは、既製品をそのまま使うだけでなく、このようにパーツを厳選して自分流に昇華させる楽しみが主流になっています。まずは基本の竹天板やステンレス天板から始め、徐々に個性的な互換パーツや自作アイテムを組み込んでみてください。パーツが「カチッ」とはまる瞬間の快感と、完成したサイトの機能美は、あなたのキャンプ体験をより一層深いものにしてくれるはずです。
理想の天板選びに終わりはありませんが、基準をしっかり持っていれば迷うことはありません。季節やキャンプのスタイルに合わせて天板を入れ替え、常に最適なレイアウトを追求し続けてください。あなたのこだわりが詰まったIGTテーブルが、次のキャンプで素晴らしい料理と笑顔を生み出す最高の舞台になることを願っています。

