スノーピークのフラットバーナーは、アイアングリルテーブル(IGT)に組み込める利便性から絶大な人気を誇ります。しかし、人気ゆえの品薄や、予算・燃料の好みに合わせて「類似品」を探している方も多いはずです。自分に最適な一台を見つけるには、今のキャンプスタイルを振り返ることが重要になります。テーブルとの一体感を重視するのか、それとも機動力を取るのか。選び方の基準を整理していきましょう。
フラットバーナーの類似品はどれが近い?結論は使用スタイルで決まる
フラットバーナーの類似品を検討する際、まず考えるべきは「何のためにその形を求めているか」という点です。IGT規格のテーブルを所有しており、そこにぴったり収めたいのか。それとも、単にテーブルの上をフラットに使いたいだけなのか。用途を明確にすることで、選ぶべきアイテムの方向性が決まります。市場には本家顔負けの機能を備えた埋め込み型から、既存のバーナーを活用する便利な天板まで、多様な選択肢が揃っています。
IGTやユニットテーブル派は埋め込み型が近い
すでにスノーピークのIGTシステムや、他メーカーから出ているIGT互換テーブルをメインに使っているなら、やはり「埋め込み型(ビルトインタイプ)」のバーナーが最もフラットバーナーに近い使用感を得られます。IGT規格は1ユニットが約250×360mmで統一されているため、このサイズに合致するバーナーであれば、テーブル面とフラットに一体化させることが可能です。最近では、ガレージブランドや海外メーカーからも、この規格に準拠した高火力なシングルバーナーが登場しています。
埋め込み型の最大のメリットは、調理スペースが広く確保できることです。テーブルの上にコンロが乗らないため、視覚的にスッキリするだけでなく、大きな鍋を振る際も安定感があります。一方で、選択肢が限られる点や、ガス缶の取り付け位置がメーカーによって異なる点には注意が必要です。
燃料をOD缶で統一したいのか、経済的なCB缶を使いたいのかも含めて検討しましょう。テーブル規格さえ合えば、フラットバーナーに引けを取らない洗練されたキッチンが完成します。また、類似品の中には本家にはない五徳の形状や、ブラックなどのカラーバリエーションを展開しているものもあり、サイトの雰囲気に合わせたカスタマイズが可能です。
軽量優先ならシングルバーナー+天板が現実的
荷物をできるだけ軽くしたい、あるいはすでにSOTOの「レギュレーターストーブ」などの定番シングルバーナーを持っているという方には、遮熱板を兼ねたミニテーブルや専用の天板を組み合わせる方法が現実的です。フラットバーナーそのものは重量がありますが、このスタイルならバーナー単体と折りたたみ式のプレートだけで済むため、積載スペースを圧迫しません。
専用のアダプターや天板を使うことで、バーナーの五徳とテーブル面をツライチに近づけることができます。これにより、フラットバーナーの魅力である「テーブルとしての使い勝手」を疑似的に再現できるのです。特にソロキャンプやデュオキャンプでは、広い調理場よりも、サッと出して片付けられる機動力が重要視されます。市販されている多くの遮熱テーブルは、バーナーをはめ込むだけで安定した調理台に早変わりするため、手軽にフラットな環境を作りたい方には最適な代替案といえます。
また、このスタイルの良さは、バーナーをテーブルから外して単体でも使える点にあります。登山やコーヒータイムにはバーナーだけを持ち出し、キャンプ場ではテーブルと合体させて本格調理をする、といった使い分けが可能です。システム全体を買い換える必要がなく、手持ちのギアを活かしながらフラットな空間を手に入れられる、非常に合理的なカスタムといえます。
ファミリーなら卓上コンロ系が扱いやすい
小さな子供がいるファミリーキャンプや、大人数でのグループキャンプであれば、特殊な組み込み式よりも、安定感のある卓上カセットコンロ系が最も扱いやすい選択肢になります。フラットバーナーのようなスタイリッシュさはありませんが、イワタニの「タフまる」シリーズのようなアウトドア特化型のコンロは、風に強く、大きな鍋を載せてもビクともしない安心感があります。
カセットコンロは誰でも簡単に操作できるため、家族の誰かが調理を手伝う際も説明が不要です。燃料もコンビニで手に入るCB缶なので、ガス切れの心配が少ない点もメリットです。また、フラットバーナーのようにテーブルに固定されないため、鍋料理をするときは中央へ、調理のときは端へ、と状況に合わせて配置を自由に変えられる柔軟性があります。
最近では、カセットコンロの利便性はそのままに、高さを抑えて「フラット感」を意識したモデルも登場しています。専用のキャリングケースが付属していることも多く、車への積載もスムーズです。見た目の「フラットさ」よりも、実際の使い勝手や安全性、そしてメンテナンスのしやすさを優先するなら、信頼できるカセットコンロは非常に優秀な「類似品」といえます。
炎の見た目重視なら焚き火+五徳が代替になる
ガスバーナーにこだわらず、「炎を眺めながら料理をする」という体験を重視するなら、焚き火台に頑丈な五徳を組み合わせるスタイルもフラットバーナーの代替になり得ます。フラットバーナーが提供する「フラットな調理面」という機能は、高さ調整ができるグリルブリッジやロストルを活用することで再現可能です。焚き火の熱を利用するためガス代がかからず、何よりアウトドアらしい野性味あふれる調理が楽しめます。
最近の焚き火台は調理に特化したものも多く、複数の鍋を同時に温められる広い五徳を備えたモデルも存在します。フラットバーナーを求める理由が「カッコいいキッチンを作りたい」という美意識にあるなら、無骨な鉄製の五徳と揺らめく炎の組み合わせは、それに勝るとも劣らない満足感を与えてくれるはずです。焚き火台の横にサイドテーブルを配置し、高さを揃えることで、機能的な調理動線を確保できます。
ただし、火加減の調整に慣れが必要な点や、煤汚れの手入れが必要な点は理解しておかなければなりません。ガスのような利便性はありませんが、不自由さを楽しむキャンプの本質を突いたカスタマイズといえます。鉄製の重厚な五徳は、重いダッチオーブンもしっかりと支えてくれるため、料理の幅そのものはガスバーナーよりも広がるかもしれません。
フラットバーナーの代わりに選ばれやすい商品タイプおすすめ
フラットバーナーの代わりとして、実際にキャンパーの間で選ばれている商品タイプをまとめました。それぞれ「テーブルへの収まり」や「燃料の使い勝手」が異なります。自分の理想とするキッチン像に最も近いものを見つけてください。
IGT互換のビルトインバーナーユニット
IGT規格のテーブルにそのままはめ込めるユニット型のバーナーです。本家同様のサイズ感で、テーブル周りをスッキリさせたい方に最適です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 主な対応規格 | IGT 1ユニット(250×360mm) |
| 特徴 | テーブル面と一体化。高火力なモデルが多い。 |
| 公式サイト例 | Soomloom公式サイト |
シングルバーナーをフラット化する天板・アダプター
SOTOのST-310やST-340をはめ込んで使う専用のミニテーブルです。手持ちのバーナーを活かしてフラットな環境を作れます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 対応バーナー | SOTO ST-310 / ST-340等 |
| 特徴 | 軽量で持ち運びが楽。遮熱板としての機能も備える。 |
| 公式サイト例 | FUTURE FOX公式サイト |
CB缶の風防付きカセットコンロ(アウトドア向け)
屋外での使用を前提に設計されたタフなカセットコンロです。風に強く、ダッチオーブンなどの重量物にも対応します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 使用燃料 | CB缶(カセットボンベ) |
| 特徴 | ダブル風防ユニット搭載。耐荷重20kgなど頑丈。 |
| 公式サイト例 | イワタニ「カセットフー タフまる」 |
OD缶の一体型ツーバーナーコンロ
2つの火口を備えた本格的なコンロです。大人数の調理や、並行して作業をしたい時に威力を発揮します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 使用燃料 | OD缶(アウトドア缶) |
| 特徴 | 高火力で風に強い。キャンプサイトの主役になる存在感。 |
| 公式サイト例 | コールマン「パワーハウスLPツーバーナーストーブ II」 |
ミニテーブル一体型のシングルバーナー台
バーナーを固定する機構がついた、小型の折りたたみテーブルです。ソロキャンプでのメインテーブル兼調理場として活躍します。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 収納サイズ | 非常にコンパクト |
| 特徴 | 低重心で安定感がある。地べたスタイルにも最適。 |
| 公式サイト例 | SOTO「フィールドホッパー」 |
焚き火台で調理できる五徳・プレート系
焚き火の上でクッカーを安定させるためのツールです。五徳をフラットに保つことで、焚き火料理をより快適にします。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 材質 | ステンレス、または黒皮鉄 |
| 特徴 | 抜群の耐久性。焚き火の熱を効率よく調理に活かせる。 |
| 公式サイト例 | ベルモント「アイアン焚火スタンド」 |
失敗しない類似品選び:サイズ・燃料・安全のチェック
類似品を選ぶ際に、デザインだけで決めてしまうのは危険です。いざキャンプ場で使おうとした時に「テーブルにはまらない」「ガスが接続できない」といったトラブルを防ぐためにも、最低限チェックすべきポイントがあります。特に、火器を扱う道具である以上、安全性に関わる部分は慎重に見極める必要があります。長く、そして安心して使うための4つの基準を整理しました。
天板サイズと脚間で収まるかを先に見る
「IGT互換」と謳われていても、微細なサイズの誤差でスムーズに入らないことがあります。特に海外製のテーブルと国内ブランドのバーナー、あるいはその逆の組み合わせでは、数ミリの差が致命的になる場合があります。購入前に、テーブル側の有効内寸と、バーナー側の外寸(特に突起物や脚の幅)をしっかりと確認しましょう。
また、テーブルの下にガス缶を吊り下げるタイプの場合、テーブルの脚やフレームが干渉しないかも重要です。フラットバーナーの類似品の中には、脚を立てて単独で使えるものもありますが、その際の高さが自分の使っているチェアやテーブルと合うかどうかも考慮すべきポイントです。調理中の姿勢が不自然になると、せっかくのキャンプも疲れてしまいます。理想の「フラットさ」を実現するためには、手持ちのギアとの物理的な相性を最優先に考えましょう。
CB缶とOD缶の入手性と季節を揃える
バーナー選びは、同時に「どのガス缶を使うか」を選ぶことでもあります。安価でどこでも手に入るCB缶は魅力的ですが、氷点下に近い寒冷地では火力が安定しにくいという弱点があります。一方、OD缶は寒さに強く高火力ですが、専門店や大きなホームセンターでないと手に入りにくく、価格も高めです。自分が主にキャンプに行く季節や、周囲の環境に合わせて燃料を選びましょう。
類似品の中には、アダプターを介して両方の燃料を使えるものもありますが、基本的にはメーカーが推奨する燃料を使うのが最も安全です。また、他のランタンやバーナーと燃料を統一しておくと、予備のガス缶を余分に持っていく必要がなくなり、荷物の軽量化にも繋がります。フラットバーナーの類似品探しは、自分の燃料システムを再構築する良い機会だと捉えて、トータルバランスを考えてみてください。
風防・遮熱・輻射熱対策でテーブルを守る
フラットバーナー的な使い方をする際、最も注意すべきは「熱」によるテーブルへのダメージです。バーナーをテーブルに近づける(あるいは埋め込む)ため、炎の熱がテーブルの天板やフレームに伝わりやすくなります。遮熱板が適切に配置されているか、バーナーの周囲に熱がこもらない設計になっているかを確認しましょう。
特に木製テーブルに埋め込む場合は、輻射熱による焦げや変形に細心の注意が必要です。また、屋外ではわずかな風でも火力が低下したり、不完全燃焼を起こしたりすることがあります。風防(ウィンドスクリーン)が最初から備わっているモデルや、五徳の形状が風を遮る設計になっているものを選ぶと、ストレスなく調理に集中できます。見た目の美しさだけでなく、熱をコントロールし、安全に火を扱える構造であるかどうかが、類似品選びの決定打となります。
着火方式と火力調整で料理の幅が変わる
使い勝手を大きく左右するのが、点火スイッチの押しやすさと火力調整ダイヤルの精度です。埋め込み型の場合、点火スイッチがテーブルの下に隠れてしまうモデルもあり、操作に慣れが必要な場合があります。また、とろ火のような弱火が安定するか、炒め物に必要な強火が得られるかといった「火力の幅」も重要です。
類似品の中には、圧電点火装置(カチッと押して火をつける装置)が付いていないものもあり、その場合は別途ライターやガスマッチが必要です。こうした細かな仕様は、実際のキャンプシーンでの「わずかなストレス」の積み重ねになります。火力調整つまみの動きがスムーズか、手袋をしたままでも操作しやすいかといった、カタログスペックだけでは見えにくい「感触」の部分にも注目して選ぶと、購入後の満足度が大きく変わります。
フラットバーナー類似品は「テーブル規格」と「燃料」で絞る
フラットバーナーの類似品探しは、決して「妥協」ではありません。自分のキャンプスタイルを深く理解し、本家以上に使い勝手の良い「自分だけの正解」を見つけるクリエイティブな作業です。IGT規格にこだわるなら埋め込み型を、軽さを求めるなら天板カスタムを、そして安心感を優先するならカセットコンロを。それぞれの強みを理解すれば、自ずと答えは見えてきます。
2026年のアウトドアシーンでは、多くのブランドから優れた互換ギアが登場しており、選択肢はかつてないほど広がっています。テーブル規格と使用燃料の2軸で絞り込んでいけば、あなたにとって最高の調理環境が整うはずです。フラットなキッチンで、景色を楽しみながら腕を振るう時間は、キャンプの思い出をより一層豊かなものにしてくれます。お気に入りの一台とともに、新しい季節の冒険へ出かけましょう。

