揺らめく炎を眺めながら味わう熱々の焼き芋は、キャンプやアウトドアの醍醐味の一つです。しかし、いざ挑戦してみると、外側だけが真っ黒に焦げてしまったり、中まで火が通っていなかったりと、意外に加減が難しい料理でもあります。実は、さつまいもを甘くしっとり焼き上げるには、火の状態や包み方に明確なコツがあります。この記事では、初心者の方でも失敗せずに最高の焼き芋を作るためのテクニックと、役立つ道具を詳しく解説します。
さつまいもを焚き火でおいしく焼くコツは「熾火」と「包み方」
焚き火でさつまいもを焼く際に、最も大切なのは火の状態を見極めることです。高く上がる炎は非常に高温で、食材をあっという間に焦がしてしまいます。理想的なのは、薪が燃え尽きて赤く光る「熾火(おきび)」の状態を利用することです。これに加えて、さつまいもを保護する包み方を工夫することで、プロのような仕上がりに近づけることができます。
炎より熾火を作って遠火で焼く
焚き火を始めてすぐの勢いのある炎は、観賞用には最適ですが、調理には向いていません。直接炎にさつまいもを当ててしまうと、表面が数分で炭のように焦げてしまい、中まで熱が届く前に食べられなくなってしまいます。おいしく焼くためには、まず薪をしっかり燃やしきり、炎が落ち着いて薪の芯が赤く輝く「熾火」の状態になるまで待つのが鉄則です。この熾火は、炎よりも温度が安定しており、遠赤外線効果で食材の芯までじっくりと熱を通すことができます。
熾火ができたら、芋を火のど真ん中に置くのではなく、少し端の方に配置する「遠火」を意識してください。さつまいもに含まれるデンプンが甘い麦芽糖に変わるには、中心温度を70度前後に保つ時間が長いほど有利になります。この温度帯を長く維持できるのが熾火による穏やかな加熱です。強すぎる火を避け、じわじわと温める感覚で焼くことで、パサつきを抑え、驚くほど甘い焼き芋に仕上がります。焚き火のゆったりとした時間を楽しみながら、火の表情を観察して置く場所を調整しましょう。
サイズと品種で焼き時間が変わる
用意したさつまいものサイズや品種によって、最適な焼き時間は大きく異なります。例えば、スーパーでよく見かける中サイズの芋であれば、片面15〜20分ずつ、合計で40分程度が目安になりますが、丸々と太い芋の場合は1時間以上かかることも珍しくありません。時間を一律に決めるのではなく、芋の太さに合わせて調整することが失敗を防ぐポイントです。キャンプ仲間で複数の芋を焼く場合は、できるだけサイズが近いものを揃えておくと、焼き上がりのタイミングが重なり、管理が楽になります。
また、品種による食感の違いも楽しみの一つです。最近人気の「紅はるか」や「安納芋」は、焼くと蜜が溢れるようなねっとりとした食感になり、甘みが非常に強いのが特徴です。一方で、昔ながらの「紅あずま」や「鳴門金時」は、ホクホクとした粉質の食感が楽しめます。水分量の多いねっとり系品種は、比較的低温で時間をかけて焼くことでポテンシャルが引き出されます。自分の好みに合った品種を選び、その個性に合わせた焼き時間を意識することで、アウトドアでの満足度がさらに高まります。
濡らし新聞紙+アルミで焦げにくくする
さつまいもを焚き火に投入する前の準備として、最も効果的なのが「濡らした新聞紙」と「アルミホイル」を組み合わせた包み方です。まず、洗ったさつまいもを水気が付いたままの新聞紙、あるいはさらに水でしっかり濡らした新聞紙で2重から3重に包みます。新聞紙は滴るくらいに濡れていても構いません。この濡れた新聞紙が断熱材の役割を果たし、熾火の強い熱が直接芋に伝わって焦げるのを防いでくれます。
新聞紙を巻いた後は、その上からアルミホイルで隙間なく包み込みます。このとき、アルミホイルの中で新聞紙の水分が蒸発し、スチームオーブンのような蒸し焼き状態になるため、芋がパサつかず、しっとりとした質感に仕上がります。ホイルの端はしっかりと折り込んで、中の蒸気が逃げないように密閉してください。最近では、後述するアウトドア用の厚手アルミホイルを使用すると、より破れにくく、熱が均一に伝わりやすくなるためおすすめです。このひと手間で、見た目も美しくおいしい焼き芋が出来上がります。
串がスッと通る焼けたサイン
焼き上がりの時間を迎えたら、実際に火が通っているかを確認しましょう。最も確実な方法は、竹串や細い棒を使うことです。アルミホイルの上から、芋の最も太い部分に串を刺してみてください。もし抵抗なく中心まで「スッ」と通れば、中までしっかり火が通っている証拠です。もし途中でグニッとした感触があったり、芯が硬いと感じたりした場合は、まだ加熱が足りません。その場合は、再び火に戻して10分ほど追加で加熱しましょう。
また、香りや感触でも判断できます。焼き上がりが近づくと、さつまいも特有の甘く香ばしい匂いが漂い始めます。トングで軽く押さえたときに、中が柔らかくなっている感覚があれば理想的です。ただし、焼きたてのホイルは非常に高温になっているため、確認する際は必ず耐熱グローブやトングを使用し、火傷に十分注意してください。焼き上がった後に、火から下ろして5分ほどそのまま置いて「蒸らす」時間を取ると、予熱でさらに熱が安定し、甘みが引き立ちます。
焚き火でさつまいもが失敗しにくいおすすめ道具7選
焚き火での焼き芋作りをより確実に、そして快適にするためには、便利な道具を活用するのが賢い選択です。特に火加減の調整が難しい屋外では、専用の鍋やアクセサリーが大きな助けになります。ここでは、初心者の方からベテランの方まで幅広く支持されている、焼き芋作りをサポートする厳選アイテムを7つご紹介します。
焼きいも鍋(焼き芋用の専用鍋)
焚き火の熱を効率よくさつまいもに伝え、焦げ付きを最小限に抑えてくれるのが専用の焼きいも鍋です。家庭用だけでなく、直火に対応したモデルを選ぶことで、アウトドアでも石焼き芋のような本格的な仕上がりを楽しむことができます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | 焼きいも鍋 新いも太郎 |
| 特徴 | 鉄鋳物による抜群の蓄熱性と対流熱でムラなく焼ける |
| ブランド | 池永鉄工 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
池永鉄工の「新いも太郎」は、伝統的な鉄鋳物の技術を活かした逸品です。鍋底の形状が工夫されており、熱が均一に回るため、大きなさつまいもでも芯までホクホクに焼き上げることができます。
ダッチオーブン(蓋つきで熱が回る)
キャンプの万能調理器具であるダッチオーブンは、焼き芋作りにも最高のパフォーマンスを発揮します。重厚な蓋が気密性を高め、内部を高温のオーブン状態に保つため、時間をかけてじっくり甘みを引き出すのに最適です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | UFダッチオーブン 10インチ |
| 特徴 | お手入れが簡単な黒皮鉄板製。急加熱・急冷却に強い |
| ブランド | ユニフレーム |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ユニフレームのダッチオーブンは、黒皮鉄板を使用しており、洗剤で洗えるためメンテナンスが非常に楽です。底網を敷いて焼くことで、皮が焦げ付かず理想的な仕上がりになります。
石焼きいも用の石(蓄熱で甘さが出やすい)
本格的な石焼き芋を再現したいなら、専用の石が欠かせません。ダッチオーブンや鍋の底に敷き詰めることで、石からの遠赤外線効果が芋の甘みを最大級に引き出してくれます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | 石焼きいも用石〈3kg〉 |
| 特徴 | 遠赤外線効果で美味しい焼きいもが作れる天然石 |
| ブランド | キャプテンスタッグ |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
キャプテンスタッグの石は、粒の大きさが揃っており使い勝手が抜群です。繰り返し洗って使えるため経済的で、焚き火調理の楽しみを広げてくれるアイテムです。
焚き火シート(地面と安全対策)
焚き火を安全に行うためのマナーとして定着している焚き火シートは、焼き芋作りでも重要な役割を果たします。こぼれ落ちた火の粉や熱から地面を守り、後片付けもスムーズにします。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | たき火台シート(80×60cm) |
| 特徴 | 耐熱温度約500℃で火の粉から大地を守る |
| ブランド | ロゴス |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ロゴスのシートは、ワイドサイズでバーベキューグリルの下にも敷きやすく、熱による芝生へのダメージを大幅に軽減します。安全第一のキャンプには欠かせない必需品です。
火ばさみ・焚き火トング(位置調整がラク)
熱い薪や、アルミホイルに包まれたさつまいもの位置を細かく調整するために、使いやすいトングは必須です。長さがあり、しっかり掴めるものを選ぶことで、火との距離を保ちながら安全に作業できます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | 薪ばさみ |
| 特徴 | 重い薪もしっかり掴めるヘビーデューティーな設計 |
| ブランド | テオゴニア |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
テオゴニアの薪ばさみは、その無骨なデザインと高い操作性で多くのキャンパーに愛されています。さつまいもを裏返したり、熾火を寄せたりする際も安定感があります。
耐熱グローブ(熱と火傷を防ぐ)
高温の焼き芋を取り出したり、薪を足したりする際に、手を確実に保護してくれるのが耐熱グローブです。軍手では防げない熱も、高品質な革製グローブなら安心して扱えます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | グリップスワニー G-1 GLOVE |
| 特徴 | アウトドアグローブの代名詞。厚手の牛革を使用 |
| ブランド | グリップスワニー |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
グリップスワニーのG-1は、日本人の手に合う設計で、使うほどに馴染んでいく逸品です。焼き芋の焼け具合を確認する際も、高い保護性能で作業をサポートしてくれます。
厚手アルミホイル(包み焼きの基本)
家庭用よりも数倍厚いアウトドア用のアルミホイルは、焚き火の強い熱でも破れにくく、食材をしっかりガードします。焼き芋作りにおける成功の隠れた立役者です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 商品名 | BBQお掃除楽ちんシート・10m(極厚) |
| 特徴 | 一般的なホイルの約3倍の厚み。熱や衝撃に強い |
| ブランド | ロゴス |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ロゴスの極厚シートは、焼き芋を包むだけでなく、焚き火台の汚れ防止にも使えます。厚さ0.035mmのタフな仕様で、さつまいもの水分を逃さずしっかり蒸し焼きにしてくれます。
焚き火でさつまいもを焼く手順と失敗しない調整
道具が揃い、コツを把握したら、次は実際の手順を整理しましょう。さつまいもを洗う段階から、火に入れるタイミング、そして焼き上がりの微調整まで、一つひとつの工程を丁寧に行うことが、最高の一本への近道です。また、もし焦げたり生焼けになったりしたときの対処法を知っておけば、どんな状況でも慌てずにおいしい焼き芋を楽しむことができます。
洗い方と水分の残し方のコツ
さつまいもを焼く前の最初のステップは、土をしっかり洗い落とすことです。皮ごと食べる場合も多いため、表面を傷つけない程度にたわしなどで優しく洗ってください。このときのポイントは、洗った後の水分を完全に拭き取らないことです。さつまいもの表面が濡れた状態のまま新聞紙で包むことで、加熱されたときに水蒸気が発生し、芋がしっとりと蒸し焼きになります。
もし、洗ってから時間が経って乾燥してしまった場合は、霧吹きなどで再度表面を濡らすか、包むための新聞紙を通常よりもしっかりと水に浸してください。この「水分」こそが、パサパサした焼き芋になるのを防ぐ鍵です。また、芋の両端を数ミリ切り落としておくと、中まで火が通りやすくなるだけでなく、そこから蜜の状態を確認しやすくなるメリットもあります。
置き場所は熾火の端でじっくり
さつまいもを焚き火に投入する際、最も避けたいのは「火力が一番強い場所」に置くことです。焚き火台の中央や、赤々と燃える熾火のど真ん中に置くと、断熱対策をしていても熱が強すぎて失敗しやすくなります。理想的な置き場所は、熾火の端の方や、少し灰が被って熱が落ち着いている場所です。焚き火のレイアウトとして、中央で火を維持しつつ、端の方を焼き芋専用のスペースにすると管理がスムーズになります。
また、熾火を芋の周りに寄せるようにして配置し、上から軽く灰を被せてあげることで、360度から均一に熱を伝えることができます。この「じっくり温める」配置が、さつまいもの甘みを最大限に引き出すための秘訣です。風が強い日は火力が上がりやすいため、風向きを考慮して、風下側の熱が溜まりやすい場所に置くなどの微調整を行うと、さらに焼きムラを抑えることができます。
途中で回すタイミングと回数
一度火に入れたら放置せず、定期的に芋の向きを変えてあげることが大切です。熾火からの熱は、置いた場所によって微妙に偏りがあるため、同じ向きのままだと一部分だけが焦げ付いてしまうことがあります。目安としては、15分から20分に一度、トングを使って芋を180度ひっくり返してください。トングで持つ際は、アルミホイルを破らないように優しく扱いましょう。
全体の焼き時間が40分であれば、合計で2回ほど回転させることになります。この回転させるタイミングで、同時に芋の位置を左右に入れ替えたり、熱の弱い場所から強い場所へ移したりして調整を行うと、複数を同時に焼く場合でも均一に仕上げることができます。手間はかかりますが、このこまめな調整が、どこを食べてもホクホクでおいしい焼き芋を作るための重要なポイントとなります。
焦げ・生焼け・水っぽさの対処法
もし焼き上がりに失敗してしまっても、原因を知っていれば次回に活かすことができますし、その場で修正できる場合もあります。まず「焦げ」てしまった場合は、次回は新聞紙の濡らし方を強くするか、火元からさらに遠ざけてください。逆に「生焼け」で芯が残っていた場合は、火力が足りないか時間が短すぎた証拠です。そのときは、再度ホイルに包み直して熾火の近くに戻し、10〜15分追加で加熱しましょう。
「水っぽく」感じられる場合は、火力が弱すぎて温度が上がるのに時間がかかりすぎたことが考えられます。その場合は、仕上げの数分間だけ火力の強い場所に移して、余分な水分を飛ばすように焼くと改善されることがあります。失敗は最高の経験です。焚き火の火加減は毎回異なるため、その時々の状況に合わせて臨機応変に調整する楽しさも、アウトドア料理ならではの醍醐味といえます。
焚き火さつまいもを甘く仕上げるためのポイントまとめ
焚き火でさつまいもを最高においしく焼くためのポイントは、何よりも「焦らず、じっくりと火を通すこと」に尽きます。炎が落ち着いた熾火を使い、濡らした新聞紙とアルミホイルで丁寧に包むことで、芋本来の甘みを最大限に引き出すことができます。また、サイズや品種に合わせた焼き時間の調整や、専用の道具を賢く使うことで、失敗のリスクを大幅に減らすことが可能です。
キャンプやアウトドアという特別な環境で、自分たちの手で育てた火を使い、時間をかけて作り上げた焼き芋の味は、どんな高級スイーツよりも心に残るはずです。この記事でご紹介したコツや道具を参考に、ぜひ次のアウトドアで最高の焼き芋作りに挑戦してみてください。ホカホカの焼き芋を囲んで過ごすひとときが、素晴らしい思い出になることを願っています。
他にも、焼き芋に合うおすすめのトッピングや、焚き火を使った他のデザートレシピについて詳しく知りたい場合は、いつでもお尋ねください。

