バーベキューをもっと手軽に、準備の負担を減らして楽しみたいと考えている方は多いはずです。炭をおこして、肉をカットして、味付けをして……といった工程をすべてこなすと、食べる前に疲れてしまうこともあります。しかし、現在は「焼くだけ」でプロの味を楽しめる食材や便利な道具が充実しています。下準備を最小限に抑えつつ、家族や仲間との会話を最大限に楽しむための、賢く簡単なバーベキュー術を紹介します。
バーベキューを簡単に焼くだけで大満足にするコツ
バーベキューを「焼くだけ」のシンプルスタイルにするためには、事前の準備をいかに効率化するかが重要です。手間を省くことは決して手抜きではなく、限られたアウトドアの時間を有効に使うための賢い選択と言えます。食材選びから熱源の確保まで、ちょっとした工夫を加えるだけで、準備のストレスを大幅に減らしながら満足度の高い食卓を実現できます。
味付き食材を選んで下味の手間を省く
バーベキューの下準備で最も時間がかかるのが、肉のカットや味付けです。これを解決する最強の方法は、精肉店やスーパーで売られている「味付き肉」をフル活用することです。あらかじめタレに漬け込まれた肉は、焼くだけで味が決まるだけでなく、酵素の働きで肉質が柔らかくなっているものが多く、失敗がありません。
また、漬け込み済みの食材は保冷剤代わりにもなり、クーラーボックスから出してそのまま網に乗せるだけなので、まな板や包丁を汚さずに済みます。最近ではキャンプブームの影響もあり、アウトドア向けの本格的な味付け肉セットも増えています。自分で複数の調味料を用意して配合する手間を考えれば、味付き食材を選ぶメリットは非常に大きいです。
火起こし不要の熱源で準備時間を短くする
「バーベキューといえば炭火」というイメージがありますが、実は火起こしに30分以上かかってしまい、お腹を空かせた子供たちを待たせてしまうこともよくあります。より手軽さを追求するなら、カセットガスコンロやアウトドア用のガスバーナーを活用しましょう。ツマミを回すだけで一瞬で点火でき、すぐに調理を開始できます。
ガス式のグリルなら火力の調節も自由自在なので、焦げ付きや生焼けの心配も減ります。「どうしても炭の香りが欲しい」という場合以外は、こうした火起こし不要の熱源をメインにするだけで、バーベキューのハードルはぐっと下がります。準備と片付けの時間を短縮できた分、食後のコーヒータイムや焚き火をゆっくり楽しむ余裕が生まれます。
失敗しにくい厚みとサイズにそろえる
食材を焼く際に、あるものは焦げ、あるものは中まで火が通っていないという状態を防ぐには、食材の厚みをそろえることが大切です。市販の「焼肉用」としてカットされているものは、火の通りが計算されているため、初心者でも扱いやすいです。逆に厚すぎるステーキなどは、表面だけ焦げて中が冷たいままになりやすいため、注意が必要です。
もし自分で食材を買い足す場合も、一口サイズにカットされているものを選んだり、火の通りが遅い厚手の肉はあらかじめ叩いて薄くしたりしておくと、網の上での滞在時間を短縮できます。すべての食材が同じくらいのタイミングで焼き上がるようにサイズ感を統一することで、食べるペースも安定し、スムーズなバーベキューになります。
焼く順番を決めて「待ち時間」を減らす
バーベキューで「食べるものが何もない」という空白の時間を作らないためには、焼く順番が肝心です。まずはすぐに火が通る薄切りの肉やソーセージ、加工済みの練り物などから焼き始め、参加者の空腹を満たしましょう。最初から分厚い肉や火の通りにくい野菜(カボチャやトウモロコシなど)を並べてしまうと、最初の「いただきます」までが長くなってしまいます。
後半戦に向けて、じっくり火を通したい海鮮や厚切り肉を網の端へ移動させ、中央で「すぐ食べられるもの」を回転させるのが理想的です。また、締めの焼きおにぎりなどは、お肉が一段落したタイミングで焼き始められるよう、常に網のスペース配分を考えておくと、最後までリズム良く食事を楽しむことができます。
焼くだけで完成するバーベキューのおすすめ食材まとめ
準備なしでそのまま使える、バーベキューに最適な食材を厳選しました。これらを組み合わせるだけで、豪華なメニューが完成します。
| 食材カテゴリー | おすすめの理由 | 楽しみ方のコツ |
|---|---|---|
| 味付き焼肉セット | 味付け・カット不要。種類が豊富 | 牛・豚・鶏が混ざったバラエティパックが人気 |
| 味付き鶏もも・手羽先 | 子供に人気。タレが染みて冷めても美味しい | 焦げやすいので網の端でじっくり焼くのがコツ |
| 骨付きソーセージ | 見栄えが良い。火の通りが早く安心 | ケチャップやマスタードなしでも十分な味 |
| 厚切りベーコン | どんな野菜とも合う。油代わりにもなる | カリカリに焼いてビールのお供に最高 |
| 冷凍焼きおにぎり | 解凍しながら焼くだけ。炭水化物の定番 | 網にくっつきやすいので、表面を軽く乾かしてから |
| カット野菜ミックス | 包丁いらず。ゴミが出ないのが最大の利点 | 焼きそばやホイル焼きにも流用可能 |
| 冷凍海鮮セット | 下処理済みのホタテやエビ。豪華さが出る | 解凍後に塩を振るだけでご馳走に |
味付き焼肉セット(タレ込み・カット済み)
お肉の専門店やコストコなどで手に入る味付きの焼肉セットは、時短バーベキューの主役です。プルコギ風の甘辛いタレや、塩レモン味など、複数の味を用意しておけば飽きることがありません。トレイから出して焼くだけなので、現場で手が汚れないのも大きなポイントです。
味付き鶏もも・手羽先(漬け込み済み)
鶏肉は中まで火を通すのに時間がかかりますが、あらかじめ漬け込まれたものなら、タレの保水効果でパサつかずにジューシーに仕上がります。特に手羽先は骨からいい出汁が出るので、網の上でじっくり焼くだけで立派なおつまみになります。
骨付きソーセージ・フランク(焼くだけ系)
ソーセージはもともと加熱調理済みであることが多いため、表面に美味しそうな焼き色がつけば食べられる安心食材です。骨付きのタイプを選べばワイルドな見た目で盛り上がりますし、串付きのフランクフルトならお皿や箸がなくても食べられるので、片付けもラクになります。
厚切りベーコン・スライスベーコン(万能)
ベーコンはそのまま焼いて食べるのはもちろん、野菜を巻いて焼いたり、目玉焼きと一緒に焼いたりと使い道が非常に広いです。また、網の上に脂を馴染ませる役割も果たしてくれるので、最初の方に焼いておくと、後から焼くお肉が網にくっつきにくくなります。
焼きおにぎり(冷凍・個包装)
ご飯を炊く手間を省くには、冷凍の焼きおにぎりが最強です。自然解凍でも食べられるタイプなら、クーラーボックスに入れておけば食べる頃にはちょうど良くなっています。網の上で表面を少しカリッとさせるだけで、香ばしさが加わり、子供も喜ぶ締めの一品になります。
カット野菜ミックス(下処理不要)
野菜の皮をむいたり切ったりすると、現場で生ゴミが出てしまいます。コンビニやスーパーのカット野菜を活用すれば、袋を開けて網や鉄板に乗せるだけです。キャベツや玉ねぎ、ピーマンがバランスよく入っているものを選べば、手軽に野菜不足も解消できます。
海鮮セット(殻付きホタテ・エビなど)
肉ばかりで飽きてきた頃に嬉しいのが海鮮です。殻付きのホタテならそのまま網に乗せ、醤油を垂らすだけで最高のご馳走になります。背わた処理済みの冷凍エビなども、焼くだけで食べられる便利なアイテムです。
焼くだけバーベキューをラクにする段取りと焼き方
食材が「焼くだけ」でも、焼き方や段取りが悪いと現場はバタバタしてしまいます。スマートにバーベキューを進行させるためには、道具の使い分けや、火力のコントロールが欠かせません。最後には「楽しかった」と全員が笑顔で終われるよう、片付けの負担まで考えた実践的なテクニックを確認しておきましょう。
焼き網と鉄板を使い分けて同時進行する
バーベキューコンロの半分に網、もう半分に鉄板(またはアルミプレート)をセットするのが最も効率的なスタイルです。網ではステーキやソーセージを直火で香ばしく焼き、鉄板ではバラ肉やカット野菜など、網から落ちやすいものやタレの多いものを調理します。
こうすることで、異なる種類の食材を同時に、かつ最適な方法で調理できます。また、鉄板があれば最後に焼きそばを作ったり、残ったお肉でチャーハンを作ったりとアレンジも広がります。100均などで売られている使い捨てのアルミプレートを網の上に乗せるだけでも、この「ハイブリッドスタイル」は簡単に実現可能です。
最初は脂の少ない食材から焼き始める
網を長持ちさせ、煙で真っ黒になるのを防ぐコツは、焼く順番にあります。最初は牛タンや赤身の肉、野菜など、脂が少ないものから焼きましょう。最初から脂身たっぷりのカルビなどを焼くと、脂が火に落ちて激しい炎が上がり、すべての食材がすすけて黒くなってしまいます。
また、網がまだ綺麗なうちに野菜を焼いておくと、お肉の脂が野菜に移らず、素材本来の甘みを楽しめます。お肉の脂が網に馴染んできたら、いよいよメインの味付き肉やバラ肉を投入するという流れを意識するだけで、見た目も味も格段にアップします。
途中で火力を整えて焦げと生焼けを防ぐ
炭火の場合もガスの場合も、常に一定の火力で焼き続けるのは禁物です。コンロの中に「強火エリア」と「弱火(保温)エリア」を意図的に作っておきましょう。炭を片側に寄せるだけで、簡単に温度差を作ることができます。
表面をさっと焼きたい薄切り肉は強火エリアで、中までじっくり火を通したい骨付き肉や分厚い野菜は弱火エリアで調理します。また、焼け上がった食材を弱火エリアに避難させておくことで、焦げるのを防ぎながら温かい状態で提供できます。この「エリア分け」こそが、焼くだけバーベキューを成功させるプロの技です。
片付けがラクな道具と使い捨てアイテムを選ぶ
バーベキュー最大の難関である「片付け」をラクにするには、便利な道具に頼るのが一番です。例えば、コンロの底に厚手のアルミホイルを敷いておけば、終わった後に灰や油汚れを丸めて捨てるだけで掃除が完了します。また、網を洗うのが面倒なら、使い捨ての網を割り切って使うのも一つの手です。
お皿やコップも、最近では100均におしゃれで丈夫な紙製やプラスチック製が揃っています。すべてを使い捨てにする必要はありませんが、油汚れがひどくなりそうなものだけでも使い捨てアイテムに変えるだけで、帰宅後の疲労感は劇的に変わります。便利グッズを賢く取り入れて、最後まで「楽」を徹底しましょう。
焼くだけで成立するバーベキューの最短ルートまとめ
バーベキューは、準備や片付けが大変だからと敬遠されがちですが、「焼くだけ」の工夫を凝らせば、驚くほど身近で楽しいアクティビティになります。味付きの食材を選び、火起こしの手間を省き、便利な使い捨てアイテムを駆使することで、本来の目的である「外で美味しく食べる」ことに集中できるようになります。
今回のポイントを振り返ると、大切なのは「事前の割り切り」と「現場でのエリア分け」です。すべてを完璧にやろうとせず、市販の便利なサービスや食材に頼ることで、心の余裕が生まれます。その余裕こそが、一緒に過ごす家族や友人との笑顔の時間に繋がります。ぜひ次の週末は、お気に入りの味付き肉を持って、一番簡単なスタイルでバーベキューに出かけてみてください。

