アウトドアウェアやシュラフを選ぶ際、多くの方が直面するのがオーロラテックス ゴアテックス 違いです。どちらも優れた防水透湿性を誇りますが、特性や最適な使用シーンは異なります。本記事では、後悔しない選び方から厳選したおすすめ商品まで、専門家の視点で詳しく解説します。
オーロラテックスとゴアテックスの違いと選び方
透湿性能の数値で選ぶ
アウトドアウェアの快適性を左右する最大の要因は「蒸れにくさ」、つまり透湿性能です。オーロラテックスとゴアテックスを比較する際、まず注目すべきはこの数値の差にあります。
一般的にゴアテックスは、非常に高い透湿性を誇り、激しい運動を伴う登山やバックカントリーにおいても、衣服内の湿気を素早く外に逃がす設計がなされています。製品にもよりますが、その数値は13,500g/㎡/24hから、上位モデルでは40,000g/㎡/24hを超えるものまで存在します。
対するオーロラテックスは、滋賀県のシュラフメーカー「NANGA(ナンガ)」が独自に開発した素材で、透湿性は約6,000g/㎡/24hと公表されています。数値だけを見ればゴアテックスに軍配が上がりますが、オーロラテックスの真価は「必要十分な性能と快適さのバランス」にあります。
キャンプや過酷すぎないハイキングにおいて、6,000gという数値は結露を防ぎつつ体温を保つのに非常に合理的なスペックなのです。オーバースペックによる高価格化を避けたい場合や、日常使いをメインにするのであれば、オーロラテックスの透湿性は非常に実用的であると言えるでしょう。
選ぶ際は、自分がどれほど汗をかくアクティビティを想定しているかを基準に判断することが重要です。
生地の質感と柔らかさ
次に注目したいのが、着用感に直結する「生地の質感と柔らかさ」です。ゴアテックス製品の多くは、防水膜(メンブレン)を保護するために強固な表地と裏地で挟み込んだ3層構造(3レイヤー)などを採用しており、どうしても「シャカシャカ」とした特有の硬さや衣擦れ音が気になりがちです。
これは高い防水耐久性を維持するための代償でもありますが、リラックスしたいキャンプシーンなどでは少し窮屈に感じる場面もあるかもしれません。
一方でオーロラテックスは、多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施しており、ゴアテックスに比べて生地がしなやかで柔らかいのが大きな特徴です。特にNANGAのダウンジャケットに使用される際は、その柔らかさがダウンの膨らみ(フィルパワー)を最大限に活かし、体を優しく包み込むような着心地を実現しています。
また、衣擦れ音も抑えられているため、静かなキャンプ場で過ごす際や、タウンユースでの快適性を重視する方にはオーロラテックスの方が圧倒的に好まれる傾向にあります。ゴアテックスの「堅牢なギア感」を取るか、オーロラテックスの「上質な衣類としての心地よさ」を取るかは、個人の好みと用途に大きく依存します。
使用する環境や目的
素材選びにおいて最も失敗しない方法は、使用する環境と目的を明確にすることです。結論から申し上げますと、森林限界を超えるような高山での本格登山や、激しい雨風に長時間さらされる過酷な環境での活動には、ゴアテックスを強く推奨します。
ゴアテックスは世界中の登山家に信頼されている通り、その防水信頼性と防風性は極めて高く、生命に関わるような厳しい条件下で真価を発揮する素材だからです。
それに対して、キャンプやフェス、あるいは冬の都市部での防寒着として検討されているのであれば、オーロラテックスが最適解になることが多いです。オーロラテックスは十分な防水性(耐水圧20,000mm)を備えており、一般的な降雨であれば問題なく凌ぐことができます。
また、シュラフカバーが不要なほど高い防水性を持つNANGAの寝袋などは、荷物を減らしたいミニマリストのキャンパーにも愛用されています。つまり、「命を守るための装備」が必要な場所に行くのか、「快適に外遊びを楽しむためのウェア」を求めているのかによって、自ずとどちらの素材を選ぶべきかが決まってくるのです。
コストパフォーマンス
最後に考慮すべきはコストパフォーマンスです。ゴアテックスは、その高いブランド認知度と厳格な品質管理基準、そして卓越した性能ゆえに、製品価格が高価になりやすい傾向があります。
特に最新の「GORE-TEX PRO」などを採用したモデルは非常に高額ですが、その分、長期にわたる過酷な使用にも耐えうる信頼性を購入することになります。いわば「最高峰の安心」への投資と言えるでしょう。
対してオーロラテックスは、日本のメーカーであるNANGAが展開していることもあり、高性能でありながら比較的手の届きやすい価格設定が魅力です。特にダウン製品においては、高品質なダウンと高機能な表地を組み合わせつつも、海外有名ブランドのゴアテックス採用ダウンジャケットよりも数万円安く手に入るケースが多々あります。
日本国内での修理サポート体制(永久保証など)も充実しているため、長く使い続けることを考えた際のトータルコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。予算を抑えつつも、妥協のない防水透湿性能を手に入れたい実利派のユーザーにとって、オーロラテックスは極めて満足度の高い選択肢となるはずです。
厳選したおすすめのアウトドアウェア7選
【NANGA】オーロラダウンジャケット(定番モデル)
NANGAの象徴とも言える、オーロラテックスを代表する一着です。高い防水性能と洗練されたデザインが融合しており、冬のメインアウターとして不動の人気を誇ります。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約47,000円〜 |
| 特徴 | 防水透湿・タウンユースにも最適なデザイン |
| 性能 | 耐水圧20,000mm / 760FPダウン |
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【NANGA】オーロラライトダウンジャケット(軽量仕様)
通常のオーロラテックスよりも薄く軽量な「オーロラライト」を採用。さらに高い透湿性を備え、動きやすさと暖かさを両立させた上位互換モデルです。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約75,000円〜 |
| 特徴 | 軽量かつ高透湿・首元のベンチレーション |
| 性能 | 耐水圧20,000mm / 860FPダウン |
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【THE NORTH FACE】マウンテンライトジャケット
ゴアテックス2層構造を採用した、ノースフェイスの定番シェル。アイコニックなデザインと、高い防水防風性能を兼ね備えた万能な一着です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約41,000円〜 |
| 特徴 | GORE-TEX採用・デタッチャブルシステム対応 |
| 性能 | 防水・防風・耐久性重視 |
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【THE NORTH FACE】クライムライトジャケット
ゴアテックス マイクログリッドバッカーを採用した軽量防水シェル。極めてコンパクトに収納でき、登山や旅行の携行にも最適な本格派です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約39,000円〜 |
| 特徴 | 軽量・コンパクト・高い透湿性能 |
| 性能 | GORE-TEX 3層構造 |
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【モンベル】ストームクルーザージャケット(高性能)
日本が誇るモンベルの最高峰レインウェア。ゴアテックス C-ニットバッカーを採用し、驚異的なしなやかさと防水性能を実現した傑作です。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約26,000円〜 |
| 特徴 | 圧倒的なコスパ・究極の防水透湿性 |
| 性能 | 耐水圧50,000mm以上 / 透湿性35,000g以上 |
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【NANGA】オーロラライト450DX(シュラフ)
オーロラテックスをシュラフに採用することで、テント内の結露からダウンを守ります。シュラフカバー不要の利便性はキャンパーから絶大な支持を得ています。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約45,000円〜 |
| 特徴 | シュラフカバー不要・3シーズン対応 |
| 性能 | オーロラライト採用 / 760FPダウン |
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【マーモット】ミニマリストジャケット(防水透湿)
GORE-TEX PACLITEを採用した、軽量で動きやすいレインジャケット。シンプルながらも脇下のベンチレーションなど、実用的な機能が凝縮されています。
| 項目 | 商品名 |
|---|---|
| 価格帯 | 約25,000円〜 |
| 特徴 | 軽量パックライト・スタイリッシュなシルエット |
| 性能 | GORE-TEX採用 / 防風防水 |
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オーロラテックスとゴアテックスを比較するポイント
防水耐久性のレベル
「防水性」という言葉一つとっても、その持続力や限界値には違いがあります。ゴアテックスは、長年にわたる過酷なテストを経て開発されており、洗濯や着用を繰り返してもその防水性能が劣化しにくい「耐久防水性」において世界トップクラスの評価を受けています。
特にメンブレン自体の強度が非常に高く、鋭利な岩場などでの擦れに対しても信頼が置けます。
一方でオーロラテックスも、耐水圧20,000mmという、嵐の中でも浸水しないレベルの非常に高い防水性を有しています。しかし、その防水の仕組みは多孔質ポリウレタンのコーティングによるもの。
技術の進歩により剥離などのトラブルは激減していますが、理論上の耐久寿命や極限状態での安定性においては、依然としてゴアテックスに一日の長があります。日常的な雨や雪、数日間のキャンプであればどちらも完璧にこなしますが、数週間にわたる遠征や、極地での活動を想定するなら、防水耐久性の信頼度でゴアテックスを選ぶのが賢明です。
メンテナンスのしやすさ
高機能素材を長く使うためには、避けて通れないのがメンテナンスです。驚かれるかもしれませんが、実はゴアテックスは「家庭で頻繁に洗うこと」を推奨しています。
汚れが詰まると透湿性が低下するため、専用の洗剤で洗い、乾燥機などで熱を加えることで撥水性が回復するように設計されています。この「メンテナンスによる性能維持のしやすさ」はゴアテックスの大きなメリットです。
オーロラテックスも同様に家庭での洗濯が可能ですが、特にダウン製品に使用されている場合は、乾燥に細心の注意が必要です。しかし、NANGA製品などは国内の自社工場でのクリーニングサービスやリペア体制が非常に充実しているため、ユーザーが自分で完璧に手入れをすることに不安がある場合でも、プロに任せられるという安心感があります。
自分でガシガシ洗ってメンテナンスしたい方はゴアテックス、手厚いアフターフォローも含めて長く付き合いたい方はオーロラテックスという選び方も、非常に現代的なアプローチと言えるでしょう。
展開されている製品数
製品選びの幅という点では、ゴアテックスが圧倒的です。ゴアテックスは素材メーカーとして世界中のあらゆるブランドに生地を供給しているため、ジャケット、パンツ、シューズ、グローブ、帽子に至るまで、無数の選択肢の中から自分の好みや体型に合ったものを選ぶことができます。
デザインやカラーバリエーションを重視したい場合、ゴアテックス搭載モデルを探せば、まず間違いなく気に入る一着が見つかるはずです。
一方のオーロラテックスは、基本的にNANGA(およびそのコラボレーションブランド)の製品に限定されています。そのため、選択肢としてはゴアテックスほど多くはありません。
しかし、それゆえに「NANGAのオーロラテックス製品」という強いブランドアイデンティティが形成されており、その限定感や専門性の高さに魅力を感じるファンが非常に多いのも事実です。多くの選択肢から自由に選びたいのか、それとも特定のこだわり抜かれた逸品を選びたいのか。この視点も、どちらの素材を選ぶかを決める大きな分岐点となります。
独自の機能性と付加価値
最後に、各素材が持つ「数値化できない付加価値」に注目してみましょう。ゴアテックスは、「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY™」という約束を掲げており、その品質に対する保証制度は世界最高レベルです。
製品に欠陥があれば修理や交換を行うというこの姿勢は、ユーザーにとって計り知れない安心感を与えます。また、最新の「ゴアテックス インフィニアム」のように、防水性よりも防風性と快適性に特化した派生素材も登場しており、ライフスタイルに合わせた進化を続けています。
対するオーロラテックスは、「日本の冬」という環境に特化した最適化がなされています。湿度の高い日本の冬において、適度な透湿性と高い防水性を持ちつつ、シュラフメーカーならではの「ダウンを濡らさない、潰さない」という設計思想は、非常に理にかなっています。
また、近年では難燃素材を組み合わせた「タキビシリーズ」など、キャンプでの実用性をさらに高めた派生素材も人気を博しています。このように、世界基準の普遍的な高性能を追求するゴアテックスと、日本の遊びに特化した独自の進化を遂げるオーロラテックス、それぞれの付加価値を理解することが納得のいく買い物への近道です。
高機能ウェアを長く愛用するための注意点
正しい洗濯方法の確認
せっかく手に入れた高機能ウェアも、汚れたまま放置するとその性能は宝の持ち腐れとなってしまいます。特に「防水透湿性」を維持するためには、表地の撥水性能を保つことが不可欠です。表地が水で濡れて膜を張ってしまうと、衣服内の湿気が外に逃げられなくなるからです。
まずは製品の洗濯表示を確認してください。多くの場合、柔軟剤の入っていない中性洗剤(または専用のクリーナー)を使用し、ぬるま湯で優しく洗うことが基本となります。
注意が必要なのは「すすぎ」です。洗剤の成分が生地に残ってしまうと、それが水を呼び寄せる原因となり、撥水性を著しく低下させます。通常の洗濯よりも長めにすすぎを行い、しっかりと洗剤を落とすようにしましょう。
また、防水素材は脱水機にかけると故障の原因になったり、水が抜けずに洗濯機を傷めたりすることがあるため、脱水は短時間にするか、タオルドライに留めるのが安全です。正しい洗濯は素材の寿命を延ばすだけでなく、常にベストなパフォーマンスを発揮させるための必須条件であることを忘れないでください。
保管場所の湿度と温度
高機能素材にとって最大の敵は「湿気」です。オーロラテックスやゴアテックスに使用されている防水膜やコーティングは、高温多湿の環境に長時間置かれると「加水分解」という劣化現象を起こす可能性があります
。特に日本の夏場、風通しの悪いクローゼットにしまい込んでしまうと、次に着ようとした時に内側がボロボロと剥がれていたり、ベタつきが発生していたりすることがあります。これを防ぐためには、風通しが良く、直射日光の当たらない場所に保管することが重要です。
また、ハンガーに吊るして保管する際は、太めのハンガーを使用して形を整え、隣の服との間隔を空けて空気が流れるようにしましょう。もしスペースの都合で収納ケースに入れる場合は、乾燥剤を一緒に入れ、定期的に蓋を開けて空気を入れ替える手間を惜しまないでください。
ダウン製品の場合は、圧縮袋での長期保管も厳禁です。ダウンの羽枝が折れてしまい、保温力が二度と戻らなくなる恐れがあるからです。オフシーズンの保管にこそ、製品への愛情と知識が試されます。
撥水スプレーでの手入れ
洗濯を繰り返しても、あるいは長期間使用していると、どうしても表地の撥水(はっすい)力は低下していきます。生地の上で水が玉にならず、じわっと染み込むようになってきたら、撥水ケアのタイミングです。
ゴアテックスなどの場合は、乾燥機で熱を加えるだけで撥水性が復活することもありますが、それでも不十分な場合は撥水スプレーを活用しましょう。スプレーを使用する際は、必ず汚れを落とした清潔な状態で、屋外の換気の良い場所で行ってください。
撥水剤には「フッ素系」と「シリコン系」がありますが、防水透湿素材には必ず「フッ素系」を選んでください。シリコン系は生地の隙間を完全に塞いでしまうため、せっかくの透湿性が失われてしまいます。スプレーを全体にムラなく吹きかけ、仕上げにドライヤーの温風を軽く当てることで、撥水成分が定着しやすくなります。
この一手間を加えるだけで、雨の日の不快感は劇的に改善され、素材へのダメージも防ぐことができるのです。撥水ケアは「雨を弾く」だけでなく「汚れを付きにくくする」効果もあるため、こまめに行うことをおすすめします。
経年劣化への正しい理解
どんなに優れた素材であっても、永遠に新品の状態を保つことはできません。オーロラテックスもゴアテックスも、経年による劣化は必ず起こるということを理解しておきましょう。
一般的に、防水コーティングやメンブレンの寿命は、使用頻度や保管状況にもよりますが5年から10年前後と言われています。生地が浮いてくる「剥離」や、シームテープ(縫い目の防水テープ)の剥がれが見られたら、それは素材としての寿命が近づいているサインかもしれません。
しかし、劣化したからといってすぐに捨てる必要はありません。NANGAのように国内に工場を持つブランドであれば、シームテープの張り替えや部分的な修理が可能なケースも多いです。
ゴアテックス製品も、認定のリペアショップで修理を受けることで、お気に入りの一着をさらに数年延命させることができます。
大切なのは、劣化を恐れるのではなく、劣化のサインを正しく見極め、適切なケアや修理を行いながら、一着のウェアと深く付き合っていくことです。それが結果として、環境負荷を減らし、あなたのアウトドアライフをより豊かなものにしてくれるはずです。
最適な素材を選んでアウトドアを楽しみましょう
オーロラテックスとゴアテックス、それぞれの違いを深く理解することで、あなたにとって本当に必要な一着が見えてきたはずです。最高峰のスペックで極限に挑むならゴアテックス、日本の四季に寄り添い、心地よいキャンプライフを楽しむならオーロラテックス。
どちらもあなたの冒険を支える素晴らしいパートナーになります。今回ご紹介した選び方の基準や、厳選したおすすめ商品を参考に、ぜひ後悔のない選択をしてください。信頼できるウェアを身に纏い、自然の中へ一歩踏み出す瞬間。
その胸の高鳴りこそが、アウトドアの醍醐味なのです。自分にぴったりの素材を選んで、素晴らしいアウトドア体験を始めましょう。

