スノーピークのアイアングリルテーブル(IGT)は、自分のスタイルに合わせて無限に拡張できるキャンプ界最強のシステムテーブルです。しかし、自由度が高すぎるゆえに「どう組めば使いやすいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、IGTを改造・カスタマイズして、理想のキッチン動線を作るための考え方と、揃えておきたい定番の周辺アイテムを詳しくご紹介します。
スノーピークのIGTを改造してキッチン動線を作る結論
IGTの真価は、バラバラのパーツを組み合わせて「自分専用のキッチン」を作れる点にあります。改造といっても、大掛かりな工作をする必要はありません。既存のユニットをどう配置し、どのオプションを付け加えるかが重要です。動線が整うと、調理から片付けまでの流れがスムーズになり、キャンプ中の家事負担が大幅に軽減されます。まずはどのような方向性でカスタムを進めるべきか、その基準を明確にしましょう。
改造の方向性は「調理」「置き場」「収納」で決まる
IGTを使いやすくカスタマイズするコツは、テーブルの上を「調理」「置き場」「収納」の3つのゾーンに分けて考えることです。まず、火を使う場所をどこにするか、まな板を置いて作業するスペースをどこに確保するかを決めます。これらが混ざってしまうと、包丁を使っている横で火力が強すぎたり、置き場所がなくてお皿を地面に置くことになったりと、効率が悪くなってしまいます。
「調理」ゾーンにはバーナーを配置し、「置き場」ゾーンには完成した料理や調味料を置くための天板を用意します。さらに、フレームの横にレールを取り付けてシェラカップやトングを引っ掛ける「収納」の要素を加えることで、必要なものがすぐ手に取れるようになります。この3要素のバランスを自分の調理スタイルに合わせて配分することが、理想のカスタムへの第一歩です。
ユニット数と配置で作業スペースが伸びる
IGTにはフレームのサイズによって、2ユニットから4ユニットまで選べる幅があります。一人で使うなら2ユニットでも足りますが、本格的なキッチン動線を作るなら3ユニット以上がおすすめです。ユニット数が増えれば、バーナーを組み込みながら、その隣に十分な作業スペースを確保できます。
さらに、フレームをL字型に連結したり、サイドに「マルチファンクションテーブル」を接続して拡張したりすることで、作業スペースは飛躍的に伸びます。例えば、L字型に配置すれば、体の向きを変えるだけで「焼く」と「切る」の動作を完結させることが可能です。自分だけでなく、家族や友人と一緒に並んで料理を楽しみたい場合は、拡張天板を効果的に使って、多人数でも窮屈さを感じないレイアウトを目指しましょう。
バーナー導入は安全とメンテの流れを先に決める
IGTにバーナーを組み込む際は、見た目の良さだけでなく、安全面とメンテナンス性を最優先に考える必要があります。スノーピークの純正バーナー(フラットバーナーなど)はフレームにぴったり収まるように設計されていますが、ガス缶をどこに吊るすか、周囲の天板との距離は適切かを確認してください。
調理後は油跳ねや煮こぼれが避けられません。バーナーの隣には、汚れをサッと拭き取りやすいステンレス製の天板を配置しておくと、片付けが非常に楽になります。また、バーナーを端に寄せるのか、中央に配置するのかによって、熱の伝わり方や周囲の物の置きやすさが変わります。火を扱う場所の周囲を「掃除しやすい素材」で固める工夫をすることで、長期間清潔に使い続けることができます。
持ち運びはケースと積載サイズで快適になる
IGTを改造して豪華にすればするほど、避けて通れないのが「重量」と「パッキング」の問題です。ステンレスや竹製のパーツが増えると、持ち運びはかなり重労働になります。せっかくの素晴らしいキッチンも、積み込みや運搬が苦痛になっては本末転倒です。
そのため、改造プランを立てる段階で、専用の収納ケースに収まるかどうか、車の積載スペースを圧迫しすぎないかを計算に入れておきましょう。フレーム、脚、各種ユニットを小分けにして収納できるバッグを用意すれば、衝撃からパーツを守りながら効率よく運べます。積載時には、重いフレームを下にし、デリケートな天板を保護するように積み込むのがコツです。運搬のしやすさまで考慮したカスタムこそ、本当に「使える」IGTキッチンと言えます。
IGT改造で使いやすくなるおすすめアイテム7選
IGTの拡張性を最大限に引き出すために、まずは基本となる純正アイテムを賢く揃えましょう。これらを組み合わせるだけで、自分好みの使い勝手を形にできます。
| 商品名 | 型番 | 主な特徴 | 公式リンク |
|---|---|---|---|
| IGTフレーム | CK-149等 | カスタマイズの土台となる中心パーツ | 公式ストア |
| 660脚セット | CK-113 | 立ち作業も座り作業もこなせる万能な高さ | 公式ストア |
| ステンレストレー 1ユニット | CK-085 | 火のそばでも安心、汚れに強い金属天板 | 公式ストア |
| フラットバーナー | GS-450R | IGTに完璧にフラットに収まる人気火器 | 公式ストア |
| マルチファンクションテーブル竹 | CK-116TR | 作業スペースを劇的に広げる拡張天板 | 公式ストア |
| ギアトートM | BG-016 | IGTフレームや天板をまとめて運べる丈夫な袋 | 公式ストア |
| ジョイントパーツ | CK-026 | テーブル同士を連結してL字や延長を可能に | 公式ストア |
IGTフレーム(必要なユニット数に合わせる)
IGTシステムの基本となるアルミ製のフレームです。2、3、4ユニットのサイズ展開があり、自分の車の積載量や使用人数に合わせて選びます。3ユニットが最もバランスが良く、バーナー1つと作業スペースを両立しやすいため、最初の改造ベースとして最適です。
IGT アイアングリルテーブル 660脚セット(CK-113)
IGTの使い心地を左右するのが脚の長さです。660mmは、一般的なダイニングテーブルに近い高さで、椅子に座ったままでも、少し腰を浮かせて調理するのにも適しています。立って本格的に料理をしたい場合は830mm、ロースタイルなら400mmと、用途に合わせて使い分けるのが正解です。
ステンレストレー 1ユニット(CK-085)
バーナーの隣には、必ずこのステンレストレーを配置しましょう。熱い鍋を一時的に置くことができますし、油が飛んでも洗剤でガシガシ洗えるため、清潔なキッチンを保てます。木製の天板だけでは火災や焦げが心配ですが、ステンレスを混ぜることで安全性が飛躍的に高まります。
フラットバーナー(GS-450R)
IGTのために開発されたと言っても過言ではない、薄型のガスバーナーです。フレームにセットすると天板と高さが揃い、大きな鍋をスライドさせて移動させることも可能です。ゴトクを外せば手入れも簡単で、スタイリッシュな見た目がカスタムの満足度を引き上げてくれます。
マルチファンクションテーブル竹(天板拡張用)
フレームだけでは足りない「食事の場所」を確保するための天板です。フレームの長辺や短辺に接続でき、大人数でのキャンプにも対応できます。竹の温かみがある質感は、機能一辺倒になりがちなキッチンに「くつろぎ」の要素をプラスしてくれます。
IGT対応の収納ケース(フレーム・天板まとめ用)
パーツが増えるほど、紛失や破損のリスクが高まります。スノーピークのギアトートやマルチコンテナを活用して、脚は脚、天板は天板とまとめて収納しましょう。特に天板は傷つきやすいため、保護材が入ったケースを選ぶと、長く美しい状態を保つことができます。
テーブル連結用のジョイントパーツ(レイアウト拡張)
フレーム同士やテーブルを連結するための小さなパーツですが、これがあるだけでレイアウトの自由度が倍増します。L字型に組んでコックピットのようなキッチンを作ったり、並列に繋いでロングカウンターにしたりと、キャンプサイトの形状に合わせた改造が可能になります。
IGT改造の定番パターンと失敗しにくい組み方
IGTのパーツを揃えたら、次はどのように組み合わせるかが腕の見せ所です。使い勝手を決めるのは、見た目のおしゃれさよりも「動作の無駄をなくすこと」にあります。定番のレイアウトを知ることで、実際にキャンプ場で困ることがない、完成度の高いシステムキッチンを構築しましょう。
調理ゾーンと配膳ゾーンを分けて混雑を減らす
IGTを長く繋げる際は、必ず「調理」と「配膳」の役割を左右で明確に分けましょう。右側で炒め物をしている横で、左側で盛り付けをするという流れができると、作業が非常にスムーズになります。特に多人数でキャンプをする場合、このゾーン分けができていないと、火を使っている人の周りに人が集中してしまい、危険かつ作業が滞る原因になります。
例えば、左端にバーナーを置き、中央にまな板スペース(ステンレストレーなど)、右端に完成した料理を置くマルチファンクションテーブルを配置する流れがおすすめです。この「一方向への流れ」を作ることで、洗い終わった野菜を切って、焼いて、盛り付けるという動作が最短距離で完結します。
天板は「木×ステン」の組み合わせで扱いやすくする
すべての天板を竹製にすると、見た目は非常に美しいですが、熱いものや汚れに弱くなります。逆にすべてステンレスにすると、冷たく無機質な印象になりがちです。おすすめは、火の周りや水のかかる場所をステンレスにし、食事をしたりお皿を置いたりする場所を竹製にする「ハイブリッド配置」です。
ステンレストレーは1ユニット分あるだけでも、ダッチオーブンや熱いケトルを気兼ねなく置けるため、非常に便利です。また、ステンレスのシルバーと竹のベージュのコントラストは、スノーピークらしい高級感のあるサイトを演出してくれます。機能性とデザインを両立させるために、異素材のユニットをバランスよくミックスしてみてください。
高さは座り作業と立ち作業で使い分ける
IGTの脚の長さ選びは、後悔しやすいポイントの一つです。ロースタイル(400mm)はリラックスできますが、長時間前かがみで包丁を使うと腰に負担がかかります。一方で、立ち作業用(830mm)は調理しやすいですが、食事のときは立ちっぱなしになってしまいます。
そこで、多くのベテランキャンパーが推奨するのが、ミドルスタイル(660mm)です。この高さなら、椅子に深く腰掛ければ食事が楽しめ、立ち上がれば本格的な調理台として機能します。自分のキャンプが「座ってゆっくり飲む」のがメインなのか、「立ってガッツリ料理する」のがメインなのかを考えて脚を選びましょう。複数の脚セットを持って、季節やキャンプのスタイルに応じて交換するのも、IGTならではの楽しみ方です。
熱と油汚れの対策を組み込みで用意する
キッチンとしての完成度を高めるなら、ゴミ箱やキッチンペーパーの配置まで考慮したカスタムをしましょう。IGTのレール部分には、ガビングフレーム(ゴミ袋ホルダー)を取り付けることができます。調理中に出るゴミを足元に落とすように捨てられる環境は、作業台の上を常に広く使うために欠かせません。
また、油汚れ対策として、バーナーのすぐ後ろに「ステンボックス」をセットして調味料を入れておくのも有効です。使いたいときにすぐに手に取れ、汚れても箱ごと洗えるため、整理整頓と清掃の両立が叶います。こうした「プラスアルファの収納機能」をフレームの隙間やレールに組み込むことで、自宅のキッチンに近い、あるいはそれ以上に使いやすい空間が完成します。
IGT改造は目的とレイアウトを先に決めると仕上がりが安定する
IGTの改造は、パーツを買ってから考えるのではなく、「どんな料理を作りたいか」「何人で使うか」という目的を先に決めることが成功の秘訣です。ソロなら2ユニットのコンパクトなコックピット、ファミリーならマルチファンクションテーブルを複数繋げた大型キッチンといった具合に、ゴールを明確にしましょう。
ユニットの組み合わせを変えるだけで、同じパーツでも全く異なる使い勝手を生み出せるのがIGTの魅力です。まずは基本のフレームと脚、そしてバーナーとステンレストレーから始め、不便を感じた部分を少しずつオプションで補強していきましょう。時間をかけて自分だけの理想のレイアウトを育てていく過程こそ、スノーピークのIGTを所有する最大の醍醐味です。次のキャンプでは、進化した自慢のキッチンで最高の料理を楽しんでください。

