ソロキャンプや庭先でのバーベキューを楽しむ方々の間で、今や伝説的なアイテムとなっているのが「ダイソーミニ鉄板」です。100円ショップで手に入る手軽さながら、本格的な「鉄板焼き」が楽しめるとあって、入荷待ちが続くほどの人気を博しています。しかし、実際に使い込んでいくと、より厚みのあるものや、縁があるタイプなど、自分のスタイルに合った「次の1枚」が欲しくなるものです。今回は、ダイソーミニ鉄板の魅力を踏まえつつ、さらにキャンプ飯を格上げしてくれる通販で人気のミニ鉄板を徹底比較しました。あなたにぴったりの相棒を見つけるお手伝いをいたします。
ダイソーミニ鉄板を選ぶ際に重視すべき4つの基準
鉄板が持つ厚みと蓄熱性
鉄板選びにおいて、最も重要と言っても過言ではないのが「厚み」です。ダイソーミニ鉄板のような薄手のタイプは、軽量で扱いやすい反面、蓄熱性が低いため、冷たい肉を載せた瞬間に鉄板の温度が急激に下がってしまうという弱点があります。これを防ぐためには、少なくとも3mm以上、理想を言えば4.5mm〜6mm程度の厚みがあるものを選ぶのがベストです。
厚みがある鉄板は、一度熱を蓄えると冷めにくいため、食材の芯まで均一に熱を通すことができます。ステーキ肉であれば、表面はカリッと香ばしく、中はジューシーな「ミディアムレア」の状態を安定して作り出すことが可能です。この現象は「メイラード反応」を効率的に引き起こすために必要不可欠な要素であり、厚い鉄板ほどその恩恵を強く受けることができます。
一方で、厚みが増せば増すほど重量も比例して重くなります。バックパックスタイルの方にとっては1kgを超える鉄板は負担になるかもしれませんが、オートキャンプが中心であれば、多少重くても厚みのある鉄板を選んだ方が、圧倒的に料理のクオリティが上がります。自分の移動スタイルと、求める料理の仕上がりを天秤にかけて選ぶことが大切です。
また、蓄熱性が高い鉄板は、火を止めた後もしばらく温かさを保ちます。そのまま食卓に並べて「お皿」として活用すれば、最後まで温かい料理を楽しむことができるのも大きなメリットです。薄い鉄板ではすぐに冷めてしまうため、この贅沢な時間は厚手鉄板ならではの特権と言えるでしょう。
持ち運びやすいサイズ
「ミニ鉄板」というカテゴリーにおいて、サイズ感は非常にデリケートな問題です。ダイソーの製品に代表される「手のひらサイズ」は、ソロキャンプにおける究極の携帯性を誇ります。メスティンの中にスタッキング(収納)できるものや、ポケットに忍ばせられるサイズ感は、装備を極限まで削りたいミニマリストにとって最適解となります。
しかし、実際に調理をしてみると、サイズが小さすぎることで「焼ける面積」が制限されるストレスも発生します。例えば、大きめの牛肩ロースを焼こうとした際に鉄板からはみ出してしまったり、付け合わせの野菜を同時に焼けなかったりといった場面です。そのため、自分の使っているバーナーや焚き火台のゴトクの大きさに合わせつつ、B6サイズ(約128×182mm)程度を基準に選ぶのが、実用性と携帯性のバランスが最も良いとされています。
B6サイズであれば、市販の多くのソロ用焚き火台にジャストフィットしますし、ステーキ1枚とニンニク、少しの野菜を焼くのに十分な面積を確保できます。また、厚みがあるモデルであればB6サイズでも1kg前後の重さで収まることが多く、持ち運びも苦になりません。
収納面では、専用のケースが付属しているかどうかもチェックポイントです。鉄板は使用後に油を塗って保管するため、そのままバッグに入れると周囲を汚してしまいます。ダイソー製品のようにケースがない場合は、自分でポーチを用意する必要がありますが、通販モデルの中にはジャストサイズの帆布ケースやレザーケースがセットになっているものもあり、トータルでの持ち運びやすさを左右します。
縁の有無による利便性
鉄板には、完全にフラットなタイプと、四方が少し反り上がった「縁(ふち)」があるタイプの2種類が存在します。ダイソーミニ鉄板はフラットに近い形状ですが、実はこの「縁の有無」が、調理のしやすさと後片付けの難易度を大きく変えるポイントになります。
縁がある鉄板の最大のメリットは、脂の多い肉(カルビや豚バラ肉など)を焼いた際に、溶け出した脂が外に漏れ出さないことです。フラットな鉄板で脂の多い肉を焼くと、脂がバーナーの火に直接垂れて大きな炎(フレアアップ)が上がったり、テーブルの上が油浸しになったりすることがあります。これを防ぐために、縁があるタイプは非常に安心感があります。
また、縁があれば焼きそばやもんじゃ焼き、タレを絡めた炒め物など、少し汁気のある料理にも対応可能です。料理のバリエーションを広げたいと考えている方には、少し深さのある縁付きモデルが圧倒的におすすめです。逆に、目玉焼きを焼く際も白身が流れ落ちる心配がないため、朝食作りにも重宝します。
一方で、フラットな鉄板のメリットは「手入れのしやすさ」と「収納の薄さ」にあります。縁がないため、焦げ付いた汚れを金属ヘラでガリガリと削り落としやすく、洗い物の手間が軽減されます。また、わずかな差ではありますが、積載時にデッドスペースを作らないという利点もあります。自分のメイン料理が「厚切りステーキを焼くだけ」なのか、「多彩な炒め物も楽しみたい」のかによって選ぶべき形状が決まります。
表面加工の状態を確認
最後に注目すべきは、鉄板表面の加工状態です。鉄板には大きく分けて「黒皮鉄板(くろかわてっぱん)」と「鋳鉄(ちゅうてつ)」、そして表面にノンスティック加工(テフロンなど)が施されたものがあります。ダイソー製品を含む多くのミニ鉄板はスチール製(黒皮または防錆塗装済み)ですが、この加工の違いがメンテナンス性に直結します。
黒皮鉄板は、製造過程で自然に発生する酸化皮膜に覆われた鉄板です。錆に強く、洗剤を使って洗っても皮膜が剥がれにくいため、比較的扱いやすいのが特徴です。使い込むほどに油が馴染み、自分だけの「育てる楽しみ」を味わえるのが最大の魅力です。プロの料理人が好んで使うのもこのタイプであり、一生モノとして使い続けることができます。
鋳鉄製は、いわゆる「スキレット」と同じ素材です。表面に微細な凹凸があるため油馴染みが非常に良く、焦げ付きにくいのがメリットですが、衝撃に弱く、急冷すると割れてしまうという繊細な一面もあります。また、非常に錆びやすいため、使用後の乾燥と油塗りが必須となります。重厚感のある見た目と本格的な焼き上がりを求めるなら、鋳鉄製が選択肢に入ります。
一方で、最近ではフッ素樹脂加工などが施された「手入れ不要」のミニ鉄板も登場しています。これらはシーズニング(油慣らし)が不要で、家庭のフライパンと同じように洗剤で洗って終わりという手軽さが売りです。しかし、焚き火の強火力で使用すると加工が剥げてしまうリスクがあるため、基本的にはガスバーナー専用となります。「育てる手間」を趣味として楽しむか、それとも「利便性」を最優先するかによって、選ぶべき表面加工は大きく変わってきます。
通販で購入できるおすすめミニ鉄板6選
【キャプテンスタッグ】鋳物グリルプレート(B6サイズ)
日本の老舗アウトドアブランドが手掛ける、非常にタフな鋳鉄製プレートです。B6サイズの焚き火台にぴったりの大きさで、網の上に乗せても安定します。鋳物特有の遠赤外線効果で、厚い肉も中までふっくらと焼き上げることができます。
| 商品名 | キャプテンスタッグ 鋳物 グリルプレート B6サイズ |
|---|---|
| 価格帯 | 約1,200円〜1,500円 |
| 特徴 | 蓄熱性が高く、波型形状で余分な脂を落とせる |
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【TokyoCamp】鉄板プレート|厚さ3.2mmの本格仕様
大人気の焚き火台ブランド「TokyoCamp」が手掛ける専用鉄板です。厚さ3.2mmという絶妙な設計により、重すぎず、かつ本格的な蓄熱性を実現しています。縁が緩やかに立ち上がっているため、脂漏れの心配も少なく、ソロキャンプのメイン鉄板として最適です。
| 商品名 | TokyoCamp 鉄板プレート |
|---|---|
| 価格帯 | 約3,900円〜4,500円 |
| 特徴 | 3.2mmの黒皮鉄板を採用し、歪みにくく錆びにくい |
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【ベルモント】極厚鉄板ミニ|焚き火でも歪まない黒皮鉄
「極厚」の名に恥じない6mmの厚さを誇るミニ鉄板です。これほどの厚みがあれば、焚き火の強大な火力にさらされても一切歪むことがありません。スクレーパーとしても使えるハンドルが付属しており、機能美と実用性を兼ね備えた逸品です。
| 商品名 | ベルモント 極厚鉄板ミニ BM-287 |
|---|---|
| 価格帯 | 約4,000円〜4,800円 |
| 特徴 | 驚異の厚さ6mmで、最高のステーキが焼ける |
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【キャンピングムーン】極厚ミニグリルプレート(蓄熱性抜群)
コスパの高さで定評のあるキャンピングムーンの製品です。厚みのある鉄板に、取り外し可能なハンドルがセットになっています。表面には防錆用のクリア塗装が施されており、最初のシーズニングでこれを焼き切ることで、プロ仕様の黒光りする鉄板へと仕上がります。
| 商品名 | キャンピングムーン 極厚ミニグリルプレート |
|---|---|
| 価格帯 | 約2,000円〜2,500円 |
| 特徴 | 安価ながら重厚な作りで、ガシガシ使い込める |
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【SOTO】ミニ鉄板(レギュレーターストーブ専用モデル)
SOTOの名作バーナー「ST-310」にジャストフィットするように設計された鉄板です。バーナーのゴトクにぴったりとはまる溝が裏面に施されており、調理中の滑り落ちを防ぐ安全設計が魅力。コンパクトながら、計算し尽くされたサイズ感は流石の一言です。
| 商品名 | SOTO レギュレーターストーブ専用ミニ鉄板 ST-3109 |
|---|---|
| 価格帯 | 約2,800円〜3,300円 |
| 特徴 | ST-310に完璧にスタッキング可能で携帯性抜群 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
【ヨカ】YOKA GRIDDLE|フチ付きで油が垂れない
デザイン性と実用性を両立した「YOKA」の鉄板です。四方がしっかりと立ち上がった深い縁があるため、油の多い肉料理だけでなく、アヒージョのような煮込みに近い調理も可能です。無骨なデザインは所有欲を満たし、キャンプサイトをお洒落に彩ります。
| 商品名 | YOKA GRIDDLE |
|---|---|
| 価格帯 | 約6,000円〜7,000円 |
| 特徴 | 深めのフチで料理の幅が広がり、後片付けも楽 |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら |
ミニ鉄板を比較する際に見るべき重要なポイント
素材による重量の違い
ミニ鉄板の素材は、主に「鉄(黒皮鉄)」「鋳鉄」「ステンレス」などに分けられますが、この素材の違いが総重量に大きく影響します。例えば、同じB6サイズであっても、厚さ1.5mmのダイソーミニ鉄板は約250g程度ですが、4.5mm厚の黒皮鉄板になると1.5kg近くになることもあります。この重量差は、携行性を重視する徒歩キャンプや自転車キャンプにおいては無視できないポイントとなります。
鉄製の鉄板は蓄熱性に優れる反面、どうしても重くなります。一方で、最近では軽量化を目的としたアルミ製やチタン製のプレートも存在しますが、これらは熱伝導が良すぎて局所的に焦げ付きやすかったり、蓄熱性が低かったりといったデメリットがあります。本格的な「鉄板焼き」を楽しみたいのであれば、重量を受け入れて鉄製を選ぶのが正解ですが、その中でも自分の許容範囲内の重さを選ぶことが、長く使い続ける秘訣です。
重量を比較する際は、単体重量だけでなく「ハンドル」や「ケース」を含めたトータルの重さを確認してください。鉄板は重いものほど安定感が増し、調理中に動いてしまうストレスが減るというメリットもあります。自分がどのようなバーナーを使用し、どの程度の負荷まで耐えられるゴトクなのかも合わせて考慮に入れ、最適な重量バランスを見極めましょう。
手入れのしやすさを比較
鉄板のメンテナンス性は、その形状と表面処理によって大きく左右されます。フラットな形状の鉄板は、使用後にスクレーパー(金属ヘラ)で汚れを一気に削ぎ落とすことができるため、非常に手入れが楽です。一方、深い縁があるタイプや、網目のような溝があるプレートは、隅に溜まった汚れを落とすのに少し手間がかかります。特に鋳鉄製の波型プレートなどは、溝にこびりついた焦げをブラシで丁寧に落とす必要があり、これを「楽しさ」と感じるか「面倒」と感じるかが分かれ目です。
また、鉄板の表面が「黒皮鉄板」か「鋳鉄」かによっても変わります。黒皮鉄板は酸化皮膜があるため、ある程度雑に扱っても錆びにくいですが、鋳鉄製は一度でも湿った状態で放置すると翌朝には真っ赤に錆びてしまうことがあります。初心者の方は、まずは錆びにくく手入れが比較的簡単な黒皮鉄板から始めるのが無難です。
最近では「窒化処理(ちっかしょり)」を施し、極めて錆びにくくした高級な鉄板も登場しています。これは航空機部品などにも使われる技術で、鉄の表面を硬化させることで錆を防ぎ、油馴染みも良くするものです。価格は高くなりますが、「鉄板を育てたいけれど錆びさせるのが怖い」という方にとっては、非常にメンテナンス性の高い選択肢と言えるでしょう。
対応する熱源の種類を確認
ミニ鉄板を購入する前に、自分がメインで使用する熱源(キャンプギア)に対応しているかを確認する必要があります。特に注意が必要なのは、カセットガス(CB缶)を使用するコンパクトなバーナーです。大きな鉄板を長時間使用すると、鉄板からの輻射熱(ふくしゃねつ)によってCB缶が異常に加熱され、最悪の場合、爆発事故につながる危険性があります。
そのため、SOTOの「ST-310」専用モデルのように、輻射熱を考慮したサイズ設計がなされているものや、遮熱板と併用することが推奨されているものを選ぶことが安全への第一歩です。また、シングルバーナーで使用する場合は、五徳(ゴトク)の形状に合うかどうかも重要です。鉄板の裏面に滑り止めの溝があるタイプは、調理中に鉄板がズレるのを防いでくれるため、安全性が格段に高まります。
焚き火や炭火で使用する場合は、熱源の強さを選ばないため、より厚みのあるタフな鉄板が向いています。逆に、アルコールストーブや固形燃料を使用してダイソーミニ鉄板のような超小型鉄板で楽しむ場合は、火力が弱いため、薄手の鉄板の方が早く温まり、効率的に調理ができます。自分のキャンプスタイルが「ガスバーナー派」なのか「焚き火派」なのかによって、選ぶべき鉄板のスペックは自ずと決まってくるはずです。
付属品の有無をチェック
ミニ鉄板は本体だけでは完結しないアイテムです。実際にフィールドで使用する場面を想像すると、付属品の充実度が利便性を大きく左右することに気づきます。最も重要なのは「ハンドル(持ち手)」です。鉄板は加熱すると非常に高温になるため、移動させたり、調理中に固定したりするためのハンドルが必須となります。ダイソー製品のようにハンドルが別売りの場合もありますが、専用のハンドルが付属しているモデルは、鉄板の穴にぴったりフィットするように設計されており、安定感が抜群です。
次に確認したいのが「収納ケース」です。使用後の鉄板は油が馴染んだ状態であり、どれだけ綺麗に拭いてもベタつきが残ります。厚手のキャンバス生地やレザーで作られた専用ケースがあれば、他のギアを汚すことなくスマートに持ち運べます。また、一部の高級モデルには、焦げ付きを落とすための「専用スクレーパー」や、テーブルを熱から守る「ウッドプレート(敷き板)」がセットになっているものもあり、これらは後から買い足す手間を省いてくれます。
特にソロキャンプでは、装備をコンパクトにまとめたいというニーズが強いため、鉄板とハンドル、ケースがオールインワンになっているパッケージは非常に魅力的です。購入価格だけを見ると付属品なしの方が安く見えますが、後からハンドルやケースを個別に揃えると、結果的にセット商品の方が安く上がり、かつ統一感のあるデザインで揃えられることも多いです。内容物をしっかりと比較して、トータルでの満足度を見極めましょう。
ミニ鉄板を長く愛用するための注意点と活用法
シーズニングを行う手順
鉄板を手に入れたら、最初に行うべき儀式が「シーズニング(油慣らし)」です。ダイソーミニ鉄板を含め、多くの新品鉄板には流通時の錆を防ぐための「防錆塗装」や「工業用ワックス」が塗られています。これをまずは中性洗剤でしっかりと洗い落とすことから始めます。その後、火にかけて水分を完全に飛ばし、鉄板の表面に食用油(オリーブオイルなどがおすすめ)を薄く塗り広げます。
油を塗ったら、煙が出るまで加熱し、一旦火を止めて冷まします。この「油を塗る→加熱する→冷ます」という工程を3〜5回ほど繰り返すことで、鉄の表面に油の薄い皮膜(ポリマー層)が形成され、食材が焦げ付きにくく、かつ錆びにくい鉄板へと進化します。この工程を丁寧に行うことで、100円の鉄板であっても高級鉄板に負けない性能を引き出すことができるのです。
仕上げに、クズ野菜(ネギの青い部分やショウガなど)を炒めることで、鉄特有の臭いを取り除くことができます。野菜が焦げるまで炒めたら、野菜を捨ててお湯で軽く洗い、最後に薄く油を塗って保管準備は完了です。最初は手間に感じるかもしれませんが、この一手間によって自分だけの「育った鉄板」になっていく過程は、キャンプ趣味の中でも特に愛着が湧く瞬間と言えるでしょう。
洗剤を使わない洗浄方法
シーズニングが終わった後の日常的なお手入れでは、基本的に「洗剤を使わない」ことが鉄則です。洗剤で洗ってしまうと、せっかく鉄板に馴染ませた油の皮膜まで洗い流してしまい、再び錆びやすい状態に戻ってしまうからです。キャンプ場での使用後は、まだ鉄板が温かいうちにスクレーパーやヘラで大きな汚れをこそぎ落とし、その後お湯と亀の子たわし、またはササラを使って洗い流すのがベストです。
頑固な焦げ付きがある場合は、鉄板に水を入れて沸騰させ、汚れを浮かせると落ちやすくなります。決してスチールたわしなどで力任せに擦りすぎないようにしましょう。皮膜を傷つけてしまう原因になります。汚れを落とした後は、必ず火にかけて水分を100%飛ばすことが重要です。「少しでも水分が残っていれば錆びる」という意識を持つことが、鉄板を長持ちさせる最大のポイントです。
もし、どうしても衛生面が気になって洗剤を使ってしまった場合は、再度軽くシーズニングを行えば問題ありません。鉄板は失敗しても何度でもやり直せるタフな道具です。あまり神経質になりすぎず、使い終わったら「汚れを落として、焼いて、油を塗る」というシンプルなルーチンを習慣化することで、一生使い続けられる最高の道具へと仕上がっていきます。
油を塗って保管するコツ
水分を完全に飛ばした後は、鉄板の表面だけでなく「裏面」や「縁」にも薄く油を塗って保管します。この時、油を厚く塗りすぎると、次回使用する際に油が酸化してベタついたり、嫌な臭いの原因になったりするため、キッチンペーパーなどで余分な油をしっかり拭き取ることがコツです。「薄く、均一に」を意識してください。
長期保管する際には、新聞紙に包んでおくのが古くからの知恵です。新聞紙が空気中の湿気を吸収し、錆の発生を抑えてくれます。さらに、最近では専用のジップバッグや、防錆紙に包んで保管するキャンパーも増えています。特に梅雨時期や、しばらくキャンプに行けない期間などは、保管状態によって次に使う時のコンディションが大きく変わります。
また、保管場所は風通しの良い乾燥した場所を選んでください。シンクの下などは湿気が溜まりやすいため避けた方が無難です。もし、次に使う時に少し錆が出てしまっていたとしても、焦る必要はありません。金属タわしで錆を削り落とし、再度シーズニングをやり直せば、鉄板は何度でも復活します。手入れを繰り返すうちに、表面が黒光りし、食材が滑るように焼ける「ブラックポット」のような状態になれば、もうあなたはミニ鉄板の達人です。
肉以外を焼く活用法
ミニ鉄板=ステーキというイメージが強いですが、実は肉以外の調理でもその実力を遺憾なく発揮します。特におすすめしたいのが「厚揚げ」や「練り物(さつま揚げ)」です。鉄板の強力な蓄熱性により、表面はパリッと、中はふっくらと焼き上がり、家庭のフライパンでは出せない食感を楽しむことができます。少しの醤油と生姜を添えるだけで、最高のおつまみが完成します。
また、朝食には「厚切りトースト」も絶品です。鉄板を弱火で温め、バターを引いた上にパンを乗せると、外側はサクサク、内側は水分を逃さずモチモチのトーストが出来上がります。目玉焼きやベーコンを横で同時に焼けば、豪華なキャンプモーニングの完成です。縁のある鉄板であれば、アヒージョの具材を並べて、オイル煮を楽しむことも可能です。
さらに、意外な活用法として「餃子」があります。ミニサイズの鉄板でも、3〜4個の餃子であれば並べて焼くことができ、底面が均一にパリッと焼き上がります。少量の水を入れてアルミホイルで蓋をすれば蒸し焼きも可能です。このように、ソロキャンプという限られた環境において、ミニ鉄板は「焼く」「炒める」「蒸す(蓋があれば)」といった多機能をこなす万能調理器具となります。ぜひ肉料理の枠を超えて、多彩なレシピに挑戦してみてください。
自分に合うミニ鉄板で極上のキャンプ飯を楽しもう
ダイソーミニ鉄板という入り口から始まったあなたの鉄板ライフは、選び方の基準を知り、自分に最適な1枚を見つけることで、さらに深く豊かなものへと進化していくでしょう。100円という低価格で「鉄板で焼く楽しさ」を教えてくれたダイソーの功績は大きいですが、通販で手に入る本格的なミニ鉄板たちは、より高い次元での料理体験を私たちに提供してくれます。
厚みによる蓄熱性の違い、縁があることによる安心感、そして無骨な鉄を自分の手で育てていく喜び。ミニ鉄板という小さな板一枚が、キャンプという趣味をこれほどまでに面白くしてくれるのは驚きです。ソロキャンプの焚き火を見つめながら、じっくりと肉を焼き、最高の状態で頬張る瞬間は、何物にも代えがたい至福の時間となります。
本記事で紹介した基準やおすすめ商品を参考に、あなたのギアリストに加わる「運命の1枚」を選んでみてください。素材の重さを感じるたびに、手入れの油を馴染ませるたびに、その鉄板はあなただけの歴史を刻んでいきます。手入れを怠らず、愛情を持って使い込めば、その鉄板は数十年後もあなたのそばで、変わらぬ美味しさを提供し続けてくれるはずです。
次回のキャンプでは、ぜひ新しく手に入れたミニ鉄板をザックに忍ばせ、フィールドへ出かけてみてください。ただの食事が「最高のキャンプ飯」へと変わる感動が、そこには待っています。自分にぴったりのミニ鉄板と共に、極上のアウトドアライフを存分に楽しみましょう。

