240Whはどれくらい使える?目安と選び方4ポイントおすすめ6選

ポータブル電源の購入を検討する際、まず目に入るのがエントリーモデルの容量です。特に「240Whがどれくらいの容量なのか」という点は、初心者の方が最も抱きやすい疑問ではないでしょうか。

本記事では、240Whクラスの電源で実際に何がどれだけ動くのかを徹底解説し、今選ぶべきおすすめのモデルをプロの視点で厳選してご紹介します。あなたのライフスタイルに最適な一台を見つける参考にしてください。

1200wのドライヤーが使えるほどパワフルで充電時間も早い!この容量に対してこの軽さは嬉しい

目次

240Whでどれくらい使えるかを知るための選び方

スマホや家電の稼働時間の目安

240Whという数字がどれくらいの電力量を指すのか、まずは具体的な数値でイメージしてみましょう。ポータブル電源の容量は「放電深度」や「変換効率」の影響を受けるため、実際に使えるのは全容量の80%から85%程度と考えるのが一般的です。つまり、240Whのモデルであれば、実質的に取り出せるエネルギーは約200Wh前後となります。

これをスマートフォンの充電に換算すると、最新のiPhoneであれば約15回から20回程度のフル充電が可能です。1泊2日のソロキャンプであれば、スマホ2台とLEDランタンの充電をこなしても十分に余裕がある計算になります。タブレット端末であれば、3回から4回程度の充電が可能で、動画視聴やリモートワークのバックアップとしても頼もしい容量です。

小型家電の場合は、消費電力(W数)に注目しましょう。例えば、15W程度の扇風機やサーキュレーターであれば、単純計算で10時間から13時間ほど動かすことができます。冬場に活躍する電気毛布(弱〜中設定で約30W)なら、5時間から6時間程度の使用が目安です。一晩中つけっぱなしにするのは難しいかもしれませんが、就寝時の数時間を温める用途には十分対応できます。

ノートパソコンの場合、消費電力は40Wから60W程度が多いため、3時間から4時間の連続使用が可能です。カフェでの作業や、電源のない会議室での利用、あるいは停電時の緊急連絡手段の確保といった用途において、240Whという容量は「ちょうど良い安心感」を提供してくれます。重たい家電は動かせませんが、身の回りのガジェット類を守るには最適なサイズと言えるでしょう。

持ち運びやすさと本体重量

ポータブル電源を選ぶ上で、容量と同じくらい重要なのが「持ち運びやすさ」です。240Whクラスの最大のメリットは、その圧倒的な軽量性にあります。一般的にこのクラスの製品は、重量が約3kgから4.5kg程度に収まっており、女性や子供、年配の方でも片手で軽々と持ち運ぶことができる重さです。これは2Lのペットボトル2本分程度の重さとイメージすると分かりやすいでしょう。

大型の1000Whを超えるポータブル電源は10kg以上の重量になることが多く、持ち出す際に気合が必要になりますが、240Whクラスであればサッと手に取って車に積み込めます。キャンプサイトの駐車場からテントまで距離がある場合や、自宅内でコンセントのない部屋へ移動させる際にも、この軽さは大きな利点となります。また、本体サイズも非常にコンパクトで、A4用紙の半分程度の設置面積で済むモデルがほとんどです。

収納の面でも、このコンパクトさは役立ちます。車のシート下やトランクの隅、家庭内であれば棚のわずかな隙間に収めることができるため、置き場所に困ることはありません。特に防災備蓄として購入する場合、玄関先やクローゼットのすぐに取り出せる場所に置いておけるサイズ感は、いざという時の初動を早めてくれる重要な要素となります。

また、ハンドルの形状にも注目しましょう。多くの240Whモデルは、折りたたみ式のハンドルや本体一体型の持ち手を備えており、パッキング時や車載時に上に物を重ねられるような工夫が施されています。軽量であることは、単に「重くない」というだけでなく、日常のさまざまなシーンで電源を「活用する頻度」を高めてくれる、隠れた重要スペックなのです。

搭載されている出力ポートの種類

240Whのポータブル電源を活用できるかどうかは、搭載されている出力ポートの種類と数に大きく左右されます。近年のトレンドとして、最も重視すべきは「USB-Cポート」の有無と、その最大出力(PD:パワーデリバリー対応かどうか)です。最新のスマートフォンやMacBookなどのノートPCはUSB-C経由での急速充電が主流となっているため、PD対応ポートがあれば重いACアダプタを持ち歩く必要がなくなります。

次に、ACコンセントの形状と数を確認しましょう。240Whクラスでは通常1口から2口のACポートが備わっています。ここで重要なのは「純正弦波(じゅんせいげんば)」に対応しているかどうかです。家庭用コンセントと同じ安定した波形を出力できるモデルであれば、パソコンや小型の精密機器も安心して使用できます。安価なモデルの中には「修正正弦波」のものがありますが、機器を故障させる原因になる可能性があるため注意が必要です。

また、キャンプなどで重宝するのがDC出力(シガーソケット)です。車載用の冷蔵庫や炊飯器、あるいは小型の掃除機など、シガーソケットから電源を取るタイプの周辺機器を使用する際に必要となります。240Whの容量で冷蔵庫を一晩動かすのは難しいですが、移動中に冷やし続けたり、目的地で一時的に使用したりする際には非常に便利なポートです。

さらに、複数のデバイスを同時に充電できるかどうかもチェックポイントです。ACポート1つ、USB-Aポート2つ、USB-Cポート1つといった構成が一般的ですが、合計出力の上限にも注意が必要です。例えば、ACでパソコンを使いながらUSBでスマホを急速充電しようとすると、合計ワット数が本体の制限を超えて停止してしまうことがあります。自分の使いたい機器が同時に何台あるかを想定して、ポート構成を確認しましょう。

バッテリーの寿命と安全性能

長期間安心して使い続けるためには、バッテリーの内部素材と安全機能についても理解を深めておく必要があります。現在、ポータブル電源に使われるバッテリーは大きく分けて「リチウムイオン電池(NCM系)」と「リン酸鉄リチウムイオン電池(LiFePO4)」の2種類があります。240Whクラスでも、最近はこのリン酸鉄リチウムを採用したモデルが急速に増えています。

リン酸鉄リチウムイオン電池の最大の利点は、その寿命の長さです。従来のリチウムイオン電池が約500回から800回程度の充放電で寿命(容量が80%程度に低下)を迎えるのに対し、リン酸鉄リチウムは約3,000回以上のサイクル寿命を誇ります。毎日1回充放電を繰り返しても10年近く使える計算になり、コストパフォーマンスの面で非常に優れています。また、熱安定性が高く、発火の衝撃に対する耐性も強いため、安全性を重視する方には特におすすめです。

安全性能を支えるもう一つの柱が「BMS(バッテリーマネジメントシステム)」です。これは、バッテリーの電圧や電流、温度を常に監視し、異常が発生した際に自動で回路を遮断する制御システムのことを指します。過充電や過放電、過熱、ショートなどのトラブルから本体と接続機器を守るため、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが不可欠です。PSEマーク(電気用品安全法)の取得はもちろん、国際的な安全基準をクリアしているかどうかも確認しましょう。

さらに、冷却ファンの設計も重要です。ポータブル電源は使用中や充電中に内部に熱を持ちますが、効率的に排熱できないと劣化が早まったり、保護機能が働いて停止したりします。静音性に配慮しつつ、しっかりと排熱管理ができるモデルを選ぶことで、夜間のテント内でも静かに、かつ安全に使用し続けることができます。長く付き合う道具だからこそ、目に見えない「安心感」を基準に選ぶことが後悔しないコツです。

240Wh前後でおすすめのポータブル電源6選

【Jackery】ポータブル電源 240|定番の人気モデル

世界中で圧倒的なシェアを誇るJackery(ジャクリ)のベストセラーモデルです。シンプルで無駄のないデザインと、直感的に操作できる使い勝手の良さが魅力です。軽量コンパクトながらも耐久性が高く、初めてポータブル電源を購入する方にとって、間違いのない選択肢となります。

商品名Jackery ポータブル電源 240
価格帯20,000円〜25,000円
特徴世界的な信頼性と圧倒的な使いやすさ
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【EcoFlow】RIVER 2|業界最速クラスの急速充電

EcoFlow(エコフロー)のRIVER 2は、わずか60分で満充電が可能な驚異的な充電スピードを誇ります。出発前の準備時間にサッと充電できるため、急な外出でも安心です。リン酸鉄リチウムイオン電池を採用しており、10年以上使い続けられる長寿命も大きな特徴です。

商品名EcoFlow RIVER 2
価格帯25,000円〜30,000円
特徴わずか60分で100%充電可能なスピードモデル
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【Anker】521 Portable Power|長寿命なリン酸鉄

充電器で有名なAnker(アンカー)の製品で、こちらもリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載しています。バッテリーだけでなく、電子部品を含めた製品全体が長寿命設計となっており、最大5年の長期保証が付帯している点も、品質への自信の表れと言えます。スタイリッシュなデザインも人気です。

商品名Anker 521 Portable Power Station (PowerHouse 256Wh)
価格帯25,000円〜30,000円
特徴製品全体が10年持つ長寿命設計と安心の5年保証
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【BLUETTI】EB3A|高出力な小型ポータブル電源

小型ながらも定格出力600W(瞬間最大1200W)という、クラスを超えたパワーを持つのがBLUETTI(ブルーティ)のEB3Aです。通常、このクラスでは動かせないような消費電力の大きい家電も、電力リフト機能により一部使用可能になります。天面でのワイヤレス充電にも対応した多機能モデルです。

商品名BLUETTI EB3Aポータブル電源
価格帯23,000円〜28,000円
特徴小型ながら600Wの高出力とアプリ制御に対応
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【JVCケンウッド】BN-RB37-C|安心の国内メーカー

日本のJVCケンウッドがJackeryと共同開発した、信頼の国内メーカーモデルです。日本語表記のパネルや、国内のカスタマーサポート体制が充実しており、海外メーカーに不安を感じる方でも安心して選べます。容量は375Whと少し大きめですが、同系列の使いやすさが際立ちます。

商品名JVCケンウッド BN-RB37-C
価格帯35,000円〜40,000円
特徴日本メーカーならではの手厚いサポートと信頼性
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【Jackery】ポータブル電源 240 New|最新モデル

ロングセラーの「240」をベースに、リン酸鉄リチウムイオン電池を採用して刷新された最新モデルです。従来の使いやすさはそのままに、寿命が飛躍的に伸び、さらにUPS(無停電電源装置)級の高速切り替え機能も搭載されました。今の時代に合わせた正統進化モデルです。

商品名Jackery ポータブル電源 240 New
価格帯30,000円〜34,000円
特徴定番モデルがリン酸鉄リチウムで進化した最新版
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240Whクラスの製品を比較する際のポイント

定格出力の大きさを比較する

「定格出力」とは、そのポータブル電源が安定して出力し続けられるワット数のことです。240Whという「容量」がバケツに溜まった水の量だとすれば、定格出力は「蛇口の太さ」に例えられます。240Whクラスのモデルでは、定格出力が200W程度のものから、600Wを超えるものまで製品によって大きな差があります。

例えば、定格出力が200Wのモデルでは、消費電力が300Wある小型の炊飯器やヘアドライヤーを使用することはできません。無理に使おうとすると、保護機能が働いて電源が落ちてしまいます。一方、定格出力が600Wあるモデル(BLUETTI EB3Aなど)であれば、低電力モードを備えた炊飯器などが動かせる場合があり、活用の幅が格段に広がります。

また、瞬間最大出力(サージ)も重要です。冷蔵庫などのコンプレッサーを搭載した機器は、起動する瞬間に定格の数倍の電力を必要とします。サージ出力が大きければ、こうした一瞬だけ大きな力を必要とする機器もスムーズに動作させることができます。自分が使いたい機器のW数を事前にチェックし、それに耐えうる「蛇口の太さ」を持っているかを確認しましょう。

ただし、定格出力が大きいモデルは、その分内部のインバーターが電力を消費しやすいため、小電力のデバイスを長時間使う際には効率が悪くなることもあります。スマホの充電がメインであれば200W程度で十分ですし、少し背伸びをして電気製品を使いたいのであれば、高出力なモデルを選ぶのが正解です。用途に応じたバランスの見極めが肝心です。

本体の充電にかかる時間の違い

ポータブル電源本体をどれだけ早く充電できるかは、実用性を左右する極めて重要なポイントです。以前のモデルでは、コンセントからの充電に4時間から7時間ほどかかるのが当たり前でしたが、最新のモデルでは「急速充電機能」の搭載により、わずか1時間前後で満充電にできるものが増えています。

急速充電のメリットは、出発直前の準備時間にあります。例えば、明日キャンプに行くのに充電を忘れていたという場面でも、朝の身支度をしている1時間で100%まで回復させることができます。また、連泊のキャンプなどでAC電源のあるサイトを一時的に利用する際にも、短時間でフルチャージできる能力は非常に重宝します。

一方で、急速充電はバッテリーに負荷をかけるという側面もかつてはありましたが、最新の制御技術(BMS)により、安全性とスピードが両立されています。それでも気になる方は、専用アプリなどで充電スピードを低速モードに切り替えられるモデルを選ぶと、バッテリーへの負担をより軽減しながら、夜間にゆっくりと充電するといった使い分けが可能です。

充電方法はACコンセントだけでなく、USB-C(PD)からの入力に対応しているか、あるいはACとUSBの同時入力でさらにスピードアップできるかといった点も比較項目になります。特に車中泊などで「走行充電」を多用する方は、シガーソケットからの充電速度も確認しておくと、移動時間を有効に活用できるようになります。

電池の種類による耐用年数の差

「どれくらい長く使えるか」を左右するのは、内蔵されているリチウム電池の種類です。ここ数年で、ポータブル電源の勢力図は「三元系(NCM)」から「リン酸鉄リチウムイオン(LiFePO4)」へと大きくシフトしました。この2つの違いを理解することは、購入後の満足度に直結します。

三元系リチウム電池は、エネルギー密度が高く、本体をより軽く、より小さく作れるというメリットがあります。従来のJackery 240などがこのタイプで、持ち運びやすさを最優先する場合には依然として魅力的な選択肢です。ただし、サイクル寿命は約500回から800回程度であり、週末ごとに使い込むようなライフスタイルの場合、数年で容量の低下を感じ始める可能性があります。

対してリン酸鉄リチウムイオン電池は、サイクル寿命が3,000回から4,000回と非常に長く、10年以上の使用に耐えうるとされています。また、熱分解温度が高いため、万が一の際にも発火しにくいという安全上の優位性もあります。重量は三元系に比べるとわずかに重くなる傾向にありますが、最近の技術進化によりその差は縮まっており、現在選ぶならリン酸鉄モデルが主流であり、かつ賢い選択と言えます。

耐用年数を比較する際は、メーカーが提供する「保証期間」も一つの指標になります。三元系モデルは2年程度の保証が多いのに対し、リン酸鉄モデルを採用するメーカーの多くは、3年から5年という長期保証を提示しています。これは製品の耐久性に対する自信の裏返しでもあります。頻繁に買い換えるものではないからこそ、寿命の長さにはこだわって選びたいところです。

ソーラーパネル充電への対応

240Whのポータブル電源を「非常用電源」や「アウトドアのメイン電源」として位置づけるなら、ソーラーパネルによる充電(太陽光発電)への対応状況は必ずチェックすべきです。コンセントのない環境でも、太陽の光さえあればエネルギーを自給自足できる能力は、災害時などの極限状態で大きな力を発揮します。

比較のポイントは、まず「接続のしやすさ」です。各メーカーは純正のソーラーパネルを販売しており、専用コネクタで差し込むだけで簡単に充電が始められるよう設計されています。例えば、JackeryやEcoFlowは折りたたみ式の高効率パネルをラインナップしており、本体との相性も抜群です。他社製のパネルを接続したい場合は、端子の形状(DC7909やXT60など)や、対応する入力電圧の範囲を確認する必要があります。

次に、最大入力ワット数(ソーラー入力の許容値)を確認しましょう。240Whクラスであれば、60Wから100W程度のパネルに対応しているのが一般的です。100Wのパネルを使用すれば、好天時には3時間から5時間程度で本体を満充電にすることが可能です。このスピード感であれば、日中の数時間で使った分の電力を補填し、夜間に備えるというサイクルが現実的になります。

また、「MPPT(最大電力点追従制御)」という機能が搭載されているかも重要です。これは、天候や日射量の変化に合わせて、太陽光パネルから取り出せる電力を常に最大化する制御技術です。最新の有名メーカー品であればほぼ搭載されていますが、効率よく太陽の恵みを取り込むためには欠かせない機能です。アウトドアでの連泊を想定しているなら、ソーラーパネルとのセット購入もぜひ検討してみてください。

240Whの電源を長く使うための注意点と活用法

夏場や冬場の保管温度に注意する

ポータブル電源の心臓部であるリチウムイオン電池は、非常にデリケートな化学物質で構成されています。そのため、周囲の温度環境はバッテリーの寿命と安全性にダイレクトに影響します。特に注意が必要なのが、夏場の車内放置です。炎天下の車内温度は容易に60度を超えますが、これはバッテリーにとって極めて過酷な環境であり、劣化を早めるだけでなく、最悪の場合は故障や発火の原因にもなりかねません。

冬場の低温環境も同様に注意が必要です。氷点下になるような場所では、電池内部の化学反応が鈍くなり、本来の容量を発揮できなかったり、充電ができなくなったりすることがあります。キャンプで使用する際も、夜間は地面からの冷気を避けるためにスノコの上に置いたり、テント内の比較的暖かい場所に配置するなどの工夫が求められます。使用しない時は、人間が快適に過ごせる室温(15度〜25度程度)の場所に保管するのがベストです。

また、湿度の高い場所も避けるべきです。内部の電子回路に結露が生じると、ショートや腐食の原因になります。特に冬場、冷え切った車内から暖かいリビングへ持ち込んだ直後は結露が発生しやすいため、すぐに電源を入れたり充電を始めたりせず、周囲の温度に馴染ませてから操作するようにしましょう。

保管時は、直射日光が当たらない通気性の良い場所を選んでください。押し入れの奥深くにしまい込むのではなく、いざという時にすぐに持ち出せ、かつ空気の流れがある場所が理想的です。温度管理を徹底するだけで、バッテリーの劣化スピードを抑え、数年後のパフォーマンスに大きな差をつけることができます。

定期的な放充電による動作点検

「防災用に買ったから」と、箱に入れたまま数年間放置してしまうのが、ポータブル電源にとって最も避けたい状況の一つです。リチウム電池には、使用していなくても少しずつ電力が減っていく「自己放電」という特性があります。完全に電力がゼロになった状態で長期間放置する「過放電」は、電池セルを破壊し、二度と充電できなくなる致命的なダメージを与える可能性があります。

理想的なメンテナンスサイクルは、3ヶ月から6ヶ月に一度、本体の状態を確認することです。まずは残量を確認し、もし減っているようであれば充電を行いましょう。この際、単に充電するだけでなく、実際にスマホや小型家電を接続して、正しく電力が供給されるか、異音や異臭がしないかといった動作点検も兼ねるのがプロの活用術です。

長期保管時の最適な残量は、100%の満充電ではなく、60%から80%程度と言われています。常に100%の状態で維持し続けると、電池内部が高電圧状態に置かれ続け、かえって劣化を早めることがあるからです。防災用として常にフル充電にしておきたい気持ちも分かりますが、寿命を延ばす観点からは、少し余裕を持たせた状態での保管が推奨されます。

定期的な点検は、いざ停電が起きた際に「使い方が分からない」「壊れていた」というトラブルを防ぐためにも重要です。半年に一度、スマートフォンの充電をポータブル電源で行う「リハーサル」の日を設けることで、家族全員が操作に慣れ、かつ電源の健康状態も維持できるという一石二鳥のメリットが得られます。

パススルー機能の正しい活用法

「パススルー充電」とは、ポータブル電源本体をコンセントで充電しながら、同時に接続した機器へ電力を供給する機能のことです。240Whクラスのモデルにもこの機能が搭載されていることが多いですが、その仕組みと注意点を知っておく必要があります。基本的には、ポータブル電源を「延長コード」のように使える便利な機能ですが、使いすぎは禁物です。

一般的なパススルー機能は、入力された電力を直接接続機器に流すのではなく、バッテリーを経由して出力します。つまり、充電と放電を同時に行うため、バッテリー内部での化学反応が激しくなり、熱を持ちやすくなります。この熱がバッテリーの劣化を早める大きな要因となるため、日常的に据え置きのUPS(無停電電源装置)のような使い方をし続けるのはおすすめできません。

ただし、最新のモデル(EcoFlow RIVER 2やJackery 240 Newなど)の中には、バッテリーを経由せずに電力を供給する「EPS(非常用電源供給)」に近い機能を備えたものもあります。これらはバッテリーへの負担を最小限に抑えつつ、停電時に瞬時にバッテリー駆動へ切り替わるため、デスクトップPCや水槽のエアポンプなどのバックアップとして活用するのに適しています。

パススルーを利用する際は、接続する機器の消費電力に注意してください。本体の充電入力よりも大きな電力を消費する機器を繋ぐと、充電しているはずが少しずつ残量が減っていくという現象が起きます。パススルーはあくまで「充電の手間を省くための一時的な手段」と考え、常用は避けつつ、必要な場面で賢く利用するのが、電源を長持ちさせるコツです。

キャンプや防災での具体的な活用

240Whという容量を最大限に活かすためには、「何に使い、何に使わないか」という取捨選択が重要です。キャンプにおいては、この軽量さを活かして「パーソナル電源」として活用するのがおすすめです。テント内でのスマホ充電、LEDランタンの予備電源、そして夏場であれば小型のサーキュレーター、冬場であれば電気毛布のスポット利用。これらに絞れば、一晩のソロキャンプを快適に過ごすのに十分な容量です。

防災シーンでは、情報の命綱である「通信手段の確保」に特化させましょう。家族全員のスマホを数日間維持し、ポータブルラジオで情報を得る。これだけであれば240Whで数日間は持ち堪えられます。一方で、電子レンジやドライヤーといった高消費電力な家電は最初から諦め、カセットコンロなどの非電化製品と組み合わせる「ハイブリッド防災」を意識することが、限られた電力を賢く使う鍵となります。

また、趣味のシーンでの活用も見逃せません。ドローンのバッテリー充電や、一眼レフカメラの予備電源、あるいは車中泊でのタブレットによる映画鑑賞。こうした「ちょっとした贅沢」を、車のバッテリー上がりを気にせずに楽しめるのが240Whクラスの魅力です。シガーソケットから走行中に充電しておけば、移動するたびにエネルギーが回復し、旅の自由度が大きく向上します。

最後に、夜間の静音性についても触れておきます。240Whクラスはファンの音が小さいモデルが多く、枕元に置いてスマホを充電していても気になりません。キャンプの静かな夜や、避難所での共同生活においても、周囲に迷惑をかけずに使えるという利点は意外と大きいものです。小さくても確かな安心を、あなたの日常や冒険に添えてみてください。

用途に合った240Whのポータブル電源を選ぼう

ここまで、「240Wh どれくらい」という疑問を起点に、その具体的な活用イメージから選び方のポイント、そして厳選したおすすめ商品まで詳しく解説してきました。240Whという容量は、決して「何でもできる魔法の箱」ではありませんが、スマホ、パソコン、LEDライトといった私たちの生活に欠かせないガジェット類を支えるには、これ以上ないほどバランスの取れた選択肢です。

選ぶ際の結論として、まずは「充電スピード」と「寿命」のどちらを優先するかを考えてみてください。忙しい日常の中で手軽に使いたいならEcoFlowのような急速充電モデルが、一つの道具と長く付き合いたいならAnkerやJackeryのリン酸鉄モデルが最適です。また、日本メーカーの安心感を重視するならJVCケンウッドという選択肢も非常に強力な候補となります。

ポータブル電源は、一度手に入れると生活の質が大きく変わる道具です。キャンプでの夜がより快適になり、災害への不安が「備えがある」という自信に変わり、日常のちょっとした電源不足がストレスフリーになります。3kg程度の小さな本体には、それだけの可能性が詰まっているのです。

本記事でご紹介した比較ポイントを参考に、あなたの予算と用途にぴったりの一台を選び出してください。240Whという「ちょうど良い」サイズから始まる新しい電源ライフが、あなたの毎日をもっと自由で、もっと安心なものにしてくれることを願っています。まずは気になったモデルの公式サイトをチェックして、その詳細なスペックをあなたの目で確かめてみることから始めてみましょう。

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この記事を書いた人

休日は川や湖でのんびりカヌーを楽しむのが大好きなアウトドア女子です。自然の中で過ごす時間が心地よく、その魅力をもっとたくさんの人に知ってもらいたいと思い、記事を書き始めました。
これから「カヌーやキャンプをやってみたい!」と思った方が、一歩踏み出すきっかけになるような記事をお届けしていきます。

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